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唐沢俊一検証blog

2011-08-20

マイルドセブン。

03:19

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karasawagasepakuri@yahoo.co.jp


コミックビーム最新号に掲載されている唐沢なをき『まんが極道』第65話は、ネットでマンガをタダ見してそれを必死で正当化する男の話。タイトルはそのまんま「泥棒くん」。そして、今回のオチはこれまでの『まんが極道』の中でも個人的にベストかもしれない(第32話「女喰い」とどっちにしようか迷う)。コミケと「唐沢俊一トンデモ本大賞」の間に喫茶店で一休みしつつ読んでいたのに声を出して笑ってしまった。「他人の努力の結晶をネットを使って掠め取る輩」に対する唐沢なをきの渾身のメッセージなのだろうか。誰かさんも心して読むといいよ。


コミケで「西理研」のブースにいらっしゃった方と「唐沢俊一トンデモ本大賞」に参加された方には『妄想特撮「カラサワセブン」全エピソードガイド』をおまけでお渡しした。もちろん、モトネタはウルトラセブンで、全49話ちゃんと考えたんだから我ながらバカだと思うけど、ハガキ職人だった頃を思い出して楽しかったから良しとしよう。それにつきあわされたみなさんはいい迷惑でしかないんだけど。


 さて、本日発売のパチスロ必勝ガイドNEO』10月号掲載の唐沢俊一のコラムエンサイスロペディア』第53回をチェックしたら、なんとウルトラセブンが取り上げられていたのでビックリしてしまった。まさに西手新九郎

 それで早速内容をチェックしてみたのだが…、ここまで無味乾燥な『ウルトラセブン』の紹介文もない、というのが正直な気持ちだ。特撮好きが読んでも「アー、アッタアッタ」と思えないし、未見の人もこの文章を読んで『セブン』に興味を持つか?というと疑問だと思わざるを得ない。

 唐沢のコラムによると、『セブン』は予算不足の影響でかえって脚本や演出が優れたエピソードが多く生まれたのだという。まぁそれはいいよ(ちゃんみお風に)。そしてゲスト俳優陣も『ウルトラQ』『ウルトラマン』以上に印象的だと書いている。

第20話『地震源Xを倒せ』における変人博士を演じた吉田義夫は、東映特撮の初期の名作でウルトラシリーズのライバルであった『悪魔くん』のメフィスト役で有名だし、第31話『悪魔の住む花』でダリーに肉体を乗っ取られる女性役があの松坂慶子であるというのは以前からファンの間では知れ渡っていた話。さらに、45話『円盤が来た』では、大島渚と共に創造社を設立した渡辺文雄をはじめ、放送作家としても有名なミッキー安川、『超人バロム1』の主人公・白鳥健太郎役で後に知られるようになる高野浩幸など、ユニークな俳優たちがせいぞろいという感があった。これも、特撮よりドラマ部分に力を入れた制作方針の現われだろう。

 …『エンサイスロペディア』でよくあるパターンだが、どのような読者を想定した文章なのかわからない。松坂慶子はともかくどれくらい伝わるのか気になる。何の説明もなしに「ダリー」と書いているのもどうかと思うが。それくらいなら、『ウルトラマン』に青島幸男寺田農が出ていた話の方がまだしも伝わりやすいような。…っていうか、渡辺文雄は『ウルトラQ』第15話カネゴンの繭」にも出てるじゃん。シリーズ前二作とのキャストの違いがいよいよわからなくなる。


 とはいえ、特撮を多用しないヒーローものというのはどうしても地味になりがちだ。セブンがそれでも成立していたのは、放映された1960年代の日本人たちが、そろって宇宙に眼を向けていたからだ。

 として、当時の米ソの宇宙開発競争のせいで『セブン』には「政治がらみの話」が多いとしているのだが…、「ノンマルトの使者」はどうなるの? 『セブン』を語る際には今や外せないエピソードなんだけど、ノンマルトは海底人(地球先住民族)だから宇宙は関係あるのだろうか。「政治がらみの話」だったら『ウルトラマン』にも「故郷は地球」があるし。あと、

(前略)当時の子供たちは、果たして月に最初に第一歩をしるすのは米ソどちらになるか、かたずをのんで見守っていた。

とあるけど、そうなんですか? 自分が生まれる10年以上前の話なので当時の空気がわかるはずもなく。


 でも、結局「政治がらみの話」が多かったせいで、子供たちは特撮からスポ根ものへと流れていったとしたうえで、

 とはいえ、それはウルトラセブンという作品の価値をいささかも減じるものではない。むしろ、当時これだけの内容の作品が作られたことに驚きを感じるし、時代相と重ね合わねることで、子供だった頃には気がつかなかったことが見えてくる。リアルタイムでウルトラセブンを観ていた方は、パチスロに興じながらも、当時の自分が、毎日どんなことを考えていたか思い出してみるのも悪くないだろう。

と例によって唐沢流にまとめている。…いや、だから、前にも書いたはずだが、パチスロをやりながらそんな余計なことを考えないだろうと。昔を懐かしむなら普通に本編を観た方がいいのでは。


 特撮オタクである自分としては、同じ特撮オタクであるはずの唐沢俊一とこれほど傾向が違うのか、と愕然としてしまった。『ウルトラセブン』の紹介なのにアイスラッガー」「カプセル怪獣も出ないんだもんなあ。特オタじゃなくてもメトロン星人ちゃぶ台や最終回の話は知っている人もいるくらいなのに(『エンサイスロペディア』の中でパチスロで使われているメトロン星人のCGが載っている)。まあ、自分みたいに表面的な話じゃなくてテーマを語りたい人もいるのかもしれないが、そのテーマらしきものも説明できているのかどうか。困惑するしかない。


 唐沢俊一は『セブン』の「政治がらみの話」などシリアスな面ばかりを強調しているが、自分が「カラサワセブン」を書きながら感じたのはウルトラセブンは本当にカッコいい」ということだった。キャラクター自体がカッコいいし、主題歌も勇壮だ。「フォースゲートオープン」も燃える。テーマ以前にヒーローはとにかくカッコよくなきゃダメなんだ、とあらためて感じた次第。

 そして何より、セブン満身創痍になりながら最後まで地球のために戦った、ということに感動する。「ノンマルト」もいいし、「ひとりぼっちの地球人」とかも好きだけど、改造パンドンを倒して朝焼けの中で立ちあがるウルトラセブンにはかなわない(少しよろめくのが余計に泣けてしまう)。小学生のころに『ウルトラセブン』を見ていたから、「血を吐きながら続ける悲しいマラソンを3年も続けてこられたし(そんな大袈裟なものじゃないか)、もう少しだけ続けよう、という気持ちになっているのかもしれない。


ULTRA-ACT ウルトラセブン

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コミックビーム 2011年 09月号 [雑誌]

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まんが極道 3 (BEAM COMIX)

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ウルトラ怪獣シリーズ41 カネゴン

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ウルトラ怪獣シリーズEX ジャミラ

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みおのカプってカプって萌えちぎれ

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ウルトラセブン Vol.7 [DVD]

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阿ーん阿ーん 2011/08/21 08:23  小学生の夏休みに毎日再放送されていて、夢中でみていました。>ウルトラセブン
 kensyouhanさんがあげた以外にも、ガッツ星人によるセブンの磔や、キングジョー(超合金魂になってますね)あたりは印象に残っています。
 しかし、なんで「アンヌ隊員」の話題がないんだろうか?

NNTNNT 2011/08/21 09:31 自分はおまけ本楽しかったです。
カプセル怪獣の名前を一つだけ思い出せないので、調べたけど、また忘れてしまった…。
ヒーローがかっこいいのは強いから!ってのもあるけど、
『自己犠牲をいとわない』
からだと思っています。
戦う事に対して本当は恐怖を抱いていても、か弱き者達、愛する人達を守る事を決して捨てない姿がかっこいいんだと思うのです。
自分を守る事だけしか考えない人は、ヒーローになる事なんて一生涯無理でしょうね。

古賀古賀 2011/08/21 10:26 有名なUFO入門書(笑)を書いた先生なんだから、セブンに出てくる宇宙船と現実のUFO研究に出てくる宇宙船の造形の比較とかをやれば面白いのに。

カラサワセブン、特に『UFOより愛を込めて』と『カルト王の使者』が笑えました。「我々より先にオタク第一世代がいたなんて…そんな馬鹿な…やっぱり攻撃だ。攻撃して帰ろう!」なんていうオカダ隊員のセリフが脳内に浮かんでしまいました。

藤岡真藤岡真 2011/08/21 11:11 「ウルトラセブン」てシリーズでも異質のものでしたね。そもそもシリーズという概念がなかったし、兄弟設定もない。だから、「マン」でもないし、カラータイマーもない、カプセル怪獣なんて卑怯な武器も持っている(役に立たない)。しかも、モロボシ・ダンは「ウルトラマンレオ」ではMACの隊員と活躍し、シルバー・ブルーメと戦い殉職(最終話で復活)するなど、他のシリーズキャラとは明らかに異なっていました。まず、そこを語るべきでしょうにねえ。

わむわむ 2011/08/21 13:46 >パチスロ
打っている間って、意外といろいろな雑思考するもんですよ。「当時の自分が何を考えていたか」はちょっと思い出せないとは思いますが(笑)。

>セブン
セブンの魅力っていっぱいありすぎて語りきれないんですけど、ひとつには「故郷は地球」の流れを引き継ぐ「キャラクターの人間ドラマの掘り下げ」はあると思います。「北へ還れ」なんてSF的には何もない話なんですけどかなりグッときます。あと異星人の地球侵略計画もあと一歩の奴らがやたら多いとか。

>藤岡様
>シルバー・ブルーメと戦い殉職(最終話で復活)
「最終話で復活」というシーンは存在しません。「レオ」の放映終了時点では「限りなく死亡に近い行方不明」扱いでした。ついでに言うとタロウとレオは「コメットさん」の中で地球を去るというエピソードになっているとか(さすがに未見)。

つーかさー、カラサワさん本当にセブン見てたの〜?

discussaodiscussao 2011/08/21 19:10 子どもからすれば、「怪獣ごっこ」を演ずるうえで「政治がらみ」だろうがカッコ良ければOKなので、イデオロギーとして敬遠されたかのようなことはないのでは?むしろダンとアンヌのラブラブな描写のほうが、気恥ずかしく鬱陶しかったのでは(子どもには)。
関係ないけど盗まれたウルトラセブンのマスクが早く見つかるよう願っております。http://kohji.moritsugu7.net/

藤岡真藤岡真 2011/08/21 19:34 >わむさん
>「限りなく死亡に近い行方不明」
 レオの最終話にセブンが出てきたように思ったのは記憶違いだったか。
 たしかに、それから十何年後かに、太陽光発電の特番かなんかで、モロボシ・ダンとセブンが復活して(アンヌ隊員も)ほっとした記憶があります。もう、結婚して子持ちでしたが、ずうっと気になっていたので。なんか、セブンって気になるんですよね。

ぐりぞうぐりぞう 2011/08/21 19:43 >藤岡さん
最終回に、ダンがゲンに話しかけるシーンはありますが
その時のことか、ゲンの追想かは演出でぼかしてます。

日常非日常日常非日常 2011/08/21 20:08 唐沢俊一は2006年に「ときもとこういち」(奥付によります。表紙にも裏表紙にも名義がないんですよこの本・・・。)発行の同人誌「セブン回想計画」に「ウルトラセブン名優ばなし」という文章を寄稿しています。ここでも「例えば実相寺昭雄演出の『円盤が来た』は、最近では『もののけ姫』で声の出演もしていた個性派俳優の冷泉公裕(祐)をはじめ、旅番組の草分け『遠くへ行きたい』のレポーターを長年務め、また大島渚映画の常連であった渡辺文雄、放送作家、ラジオパーソナリティとしても有名なミッキー安川と、まずこの作品でなければ考えられない組み合わせの個性派たちの演技が見られ、日本のドラマ史上でも貴重な作品になっていた。」(P20)と書いているので、唐沢俊一にとってはウルトラセブンはゲスト出演者を語る作品なのだと思います。

この同人誌で唐沢は山口暁さんについて「もらった役はライダーシリーズ中唯一自分の番組を持たないライダーマン、やっと手に入れた主役は格落ちのピープロ制作の『電人ザボーガー』。」(P26)と書いていて酷いこと書くなあ、と思いました。面白いよザボーガー!(ライダーマンもすき)

藤岡真藤岡真 2011/08/21 20:26 >ぐりぞうさん
 ありがとうございます。

通行人通行人 2011/08/21 23:00 高野浩幸って世田谷の某公立中学で同学年だったか一学年上だったかどっちかだった。
何か高野がテレビにしょっちゅう出ているせいか、教師が気を使って特別扱いしなかったり、微妙に存在を隠している記憶があった。
それってやっぱバロムワン主演が影響してるのかな。中学の近所に劇団いろはがあるせいで、けっこう子役タレントが同じ中学にいたんだけど。
ただ、中学生だったせいか、バロムワンの時よりも寺山の田園に死すに出演した時の方が大騒ぎになった。
まあ、新高恵子に強姦されるシーンがあったからインパクトは余計強かったと思うけど。

redtail2733redtail2733 2011/08/22 01:18 1958年生まれですが,
ソ連の有人月面着陸計画
「ソユーズL3計画」自体を,
1960年代後半の日本の少年の大多数は知らなかったので,
(アポロ計画は大々的に喧伝されていたけれど)
これはありえないと断言しておきます。
これは一部の宇宙マニアだけ。

> 当時の子供たちは、果たして月に最初に第一歩をしるすのは米ソどちらになるか、
> かたずをのんで見守っていた。
「」

個人投資家個人投資家 2011/08/22 06:58 >『妄想特撮「カラサワセブン」全エピソードガイド』を

 これはタコシェでは委託されていないのでしょうか?

kensyouhankensyouhan 2011/09/18 20:01 コメントありがとうございます。

>阿ーんさん
「何も知らない人に向かって一から説明する」というスタイルをとればやりやすいと思うんですけどね。

>NNTさん
唐沢氏も特撮好きなんでしょうけど、自分とはつくづく違うなあと。自分はある意味「教科書」として受け取ってしまったのかも。

>古賀さん
「ノンマルトの使者」「第四惑星の悪夢」で続けてオタク第一世代ネタがやれたのは若干満足。

>藤岡さん
セブンの息子のゼロの師匠がレオだったり。

>わむさん
自分はDSやPSPをやりながら唐沢検証について考えています。

>discussao さん
先月の「水戸黄門」といい、ここ2ヶ月妙にタイムリー。

>日常非日常さん
その文章は現物を読んだらキレちゃうかも…。

>通行人さん
『田園に死す』のあのシーンは確かにショッキング。

>redtail2733 さん
貴重なお話をありがとうございます。

>個人投資家さん
年末あたりに『カラサワマン』『カラサワセブン』をまとめてブログにアップしようかと思っています。
ただ、時事ネタもあるので、そこは直すべきかどうか検討中です。鮮度が落ちるのが本当に早い。