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福島原発事故 海外での報道 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2011-05-21 The Atomic Age After Fukushima―Time for an Epilogue?

フクシマ後の原子力時代――エピローグに向かうのか?

http://www.hnn.us/articles/137623.html


Frank Uekoetter

フランク・ユケッター

History News Network 2011年3月16日


 起こった事件に対し「歴史的転換点」というラベルを張るスポーツがこのごろ盛んである。だが、先週末ほど、わたしたちがこの衝動に急速に駆られたことはめったになかった。3月12日土曜日、つまり壊滅的な地震の翌日に、日本の福島県にある福島第一原子力発電所が東北地方の青い空を爆風で吹き飛ばした。翌週の月曜日、『シュピーゲル』は原子力の死亡記事を掲載した。その表紙には、爆発した原発写真とともに、「原子力の時代の終わり」を宣言するタイトルが記されていたのである

 

 いまは、歴史家見解を求めるときではないようにみえる。この文章を執筆している現在2011年3月16日)、本当にメルトダウンが起きているのかどうかは明らかではなく、翌日と翌週に何が起こるかを知っている人間は、おそらく誰もいないだろう。いま求められているのは、ホウ素の吸収力について、それから緊急冷却システムをどのように動くのかについて知っている専門家であるように思える。けれども、歴史家がほかの誰よりも的確に答えることのできる問いがひとつある。なぜ、わたしたちは緊急冷却システムを必要とするような原子炉をもっているのか、である

 緊急冷却システムは、核技術において不可欠な部分である。このシステムは、冷却剤に水を用いる原子炉の特徴であり、とりわけこのタイプの原子炉世界スタンダードになっている。核分裂によって電気を生み出すにはさまざまな方法があるし、中性子減速材ウラン235核分裂で生じた高速中性子を減速して熱中性子にするため使われる物質]にもいくつかのタイプがある。軽水[ふつうの水のこと]はひとつのオプションにすぎないし、軽水を用いる原子炉もまたそうである。安全性という観点からしても、この選択はおそらくベストではない。

 それでは、なぜ、発電所技師たちはこのタイプのテクノロジーを選んだのか? この答えのひとつは、この選択が1950年代から60年代にかけてなされたとき、軽水炉技術がすでに存在していたことにある。アメリカ艦隊ノーチラス号は、世界初原子力潜水艦であるが、1955年以来水冷式の原子炉を用いて動いていた。この選択には、スペースを節約することを優先させる潜水艦独特の条件が関係していたのである。そして、いずれにしても、戦争に用いる機械が安全を第一におくということは聞いたことがない。

 そして、軽水は、二番目の有利な点を持っていた。技術者たちがこの扱い方を知っていたことである。容易に忘れやすいが、発電所技師たちは、はじめのうちは、新しいタイプの燃料としての原子力を用いることを疑っていた。第二次世界大戦後、石炭石油は、見かけは無尽蔵であった。核技術伝統的な専門家集団に戦いを挑んだのだった。技術者たちは、しかし、蒸気を発生させそれによってタービンを回すというアイディアを知っていた。これが軽水炉に決して失うことのない強みを与えたのである

 もちろん、この話は、わたしがここで提示するものよりももう少し複雑だった。重要なのは原子力の異なったアイディアのあいだで公平かつオープン競争が一度もなされなかったことである理論的には、同時に別々のアイディアに挑戦し、その最も良い選択に適した基準を定義するのが得策だっただろう。実際の勝者は、最初に勢いを集めたモデルであった。これが軽水炉だったのである

 チェルノブイリの原発事故のあと、原子核専門家はすぐに、チェルノブイリの原子炉は、不幸なことに、中性子減速材としてグラファイトを使用するという通常とは異なるタイプの原子炉であったことを指摘した。グラファイトは、事故最中燃え始めたのである。このような弁解は、しかし、福島原発場合にはなされえない。福島原発は、厄介なことに世界で最も普及した原子炉に類似しているからだ。端的にいえば、軽水炉テクノロジーの終焉は、原子力世代の終焉を意味することになる。

 しかし、これは終わりなのだろうか? 原子力歴史はわたしたちに原子力複合体の巨大な運動量を教えてくれる。原子核技術者原子炉、そしてこの関連の研究所災害が起こっても消えない。それとはまったく逆に、かれらは再び権利を主張しようとするだろう。なぜなら、かれらの未来原子炉にかかっているからである軽水炉テクノロジー運動量は巨大であり、専門家たちは自分たちの縄張りを守るために手加減することはないだろう。チャンスは、いまから数週間後に、「もしもっと準備が周到になされ、技師が正しい判断を下していたならば、すべてがうまくいっただろう」と専門家が説明するときである。だが、これはかれらの王国のなかでは起こりえない。かれらがほかのタイプの原子炉について話すことはありそうもない。

 

 この事故原子力の時代の終わりになりうる、そして間違いなくそうすべきである。しかし、私はそうなるかどうか疑問に思う。帝国はきっと反撃に出るだろうからだ。


(trad. TF)


注:フランク・ユケッターは、ドイツ連邦共和国のミュンヒェンにあるレイチェル・カーソンセンターの副所長。専門は環境史。主な著作に『The Green and the Brown: A History of Conservation in Nazi Germany』(『褐色と緑:ナチス・ドイツの環境保護歴史2006年)、『The Age of Smoke: Environmental Policy in Germany and the United State, 1880-1970』(『煤煙の時代:ドイツのアメリカの環境政策 1880-1970』2009年)など。


6.11 脱原発100万人アクション!(全国各地)

6月11日は、福島原発震災から3ヶ月。

今なお放射能放出は続いています。

私たちは、人や自然を傷つける電気はいりません。

全国各地域の人々とともに、6月11日脱原発を求める100万人アクションを呼びかけます。

6月11日は、声をあげましょう!

今こそ脱原発へ!!  

http://nonukes.jp/wordpress/

黙ってられない!声を上げよう!!