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傑力珍怪

2009年09月21日

『人喰山』の絵コンテについて

今回は絵コンテの話です。

普通のアニメーション絵コンテは、皆さんご覧になった事があると思います。

ワンカットワンカット、画の横に時間やSE、BGM、キャラの演技やカメラワークに関する注意点、様々な事が書いてありますね。

でも『人喰山』は自主作品。基本的には自分が分かれば良いだけなので、既成の絵コンテ用紙は使っていません。

まずはこれ、B3位のクロッキー帳に描いたものです。マジック描きで、無茶苦茶ラフなコンテ初稿です。

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見れば分かりますが、通常のアニメーションのコンテとはちょっと違います。

『人喰山』は紙芝居アニメですから、キャラは動きません。カメラワークだけで、キャラの動きや映画のリズムを作らなければならないのです。

カメラは縦横、奥行き、様々な動きをしますから普通の絵コンテの一コマに収まるわけではありません。だから白紙の大判の紙にラフに描いてあるのです。

つぎはこれ、初稿をパソコンに取り込んで読みやすく再構成した物です。

音声のスタッフに渡すための物ですから、ちょっと読みやすくなってます。

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カメラワークで見せるカットは大きめに。カット割りで見せる部分は小さく描いてあります。

こうした方が全体の流れが見渡しやすいんですね。

もう一枚お見せします。

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こうやって描いた絵コンテをビデオで撮影して、そこに僕の弁士を入れます。つまりビデオコンテです。『人喰山』は語りで進行して行きますから、弁士に合わせて画のリズムも微調整します。そのビデオコンテに、本番の画を描いてワンカットづつ差し替えて行けば完成。出来上がったたシーンは、すぐに音声スタッフに送って音を見繕ってもらいます。

締め切り(注)があった作品なので、後から変更や調整は許されません。そんな事したら、音と画が合わなくなってしまいます。一日3カットのノルマで、半年間一日も休まず描き続けました。結果、腰痛と腿の筋肉痛で胡座がかけなくなってしまったのでした。

(注)昨年、2008年の2月。アニメーション作家の倉重哲治さんとKTOOONZさんと、にいやの三人でアップリンクファクトリーで上映会をしたのです。まだ作品も完成してないのに、いつの間にか上映の日取りが決まってしまい閉めきりに追われる事になったのです。