Backlash to 1984

2007-12-16

[]おまえも俺もそうだったよ。

 今夜、我が家はささやかながら近所の居酒屋で忘年会をした。隣席で赤ん坊が泣いていた。うちの長男(中1)が、うるさそうに両耳を指で耳をふさいでいるのを目にして、「こら、失礼だからそれはやめろ」と諭した。おまえもあぁだったんだぞ、と。あまりに月並みだね、これでは。


 弟が合流することになり、場所を替わった。で、長男に語った。語りたかったので語った。「俺、小さい子供は嫌いなんよ」と彼が言うから、俺もそうだったよというところから始めた。


 迷惑がられることを怖れて母親が外に出なくなることがある。迷惑そうな人目が気になり、家に赤子と閉じこもる、そういうことがままある。おまえもよく泣く子だったから、お母さんもそうなりかけたことがある。出れば気も晴れるものを、出ないからますますおまえに手を焼き疲れ果てる。そういうことがあった。


 誰だって自分もそうだったのに、あるいは自分の子がそうだったのに、喉もと過ぎれば熱さ忘れるで、泣く赤ん坊を連れていると迷惑そうにする者がいる。情けない話だ。


 場所によっては静かさを求められることもあるから、映画館や図書館など遠慮したほうがいい場所も確かにあるが、高級レストランでもあるまいし、大の大人も騒ぐにような居酒屋で赤ん坊が泣き喚いていても何の問題も無い。


 以前、まだ幼いおまえを連れて入ったファミレスで、泣きじゃくる赤ん坊に手を焼いて済まなさそうにこちらを視る親御さんに、俺が笑顔で応じたことがある。その親御さんは、ホッとしたような顔をしていたよ。


 お互い様なんだよ、順ぐりのめぐり合わせでしかない。「おまえもそうだったんだよ」と、さっき言ったのは、そういうことだよ。…そのように言うと、長男はわかったような、わからぬような顔をしていた。


 今はわからぬで良い。わかるはずもなく、わからぬことをわかった気になってもらっても困る。将来、思い出してもらえば良い。そういえばあのとき、親父が言っていたのはこのことかと、そう思ってくれたら、それ以上のことは何もない。

ナナコナナコ 2007/12/17 03:34 想像力を働かせたいと常日頃思っているけれども、自分がその立場にならないと、中々実感沸かないことって、多々あるよね。
私も親になり、初めてわかったことが本当に沢山あった。特に、母親がどんな思いで自分を育ててくれたのか、それがわかった時、感謝の気持ちでいっぱいになった。
以前母が、「2ヶ月のあなたを預けて仕事に行き、仕事先のトイレでぱんぱんに張った母乳を搾って捨てた時、こんなに辛いことはないと思った。」と話してくれたことがあり、その時は「ふーん、そうか…。」くらいに流してしまったけれど、今ではその時の母の辛さが身にしみてわかる。

あにぃの息子さんも、お父さんが言っていたことってこういうことだったんだとわかる時、父親と自分と、そしてわが子への繋がりを実感し、大きな感謝を胸に抱くのだと思う。

それにしても、街中で赤を連れていて肌で感じるのは、周囲の迷惑よりも、断然周囲の人々の親切さだったりする!
ベビーカーだとドアの開閉を通りすがりの人が手伝ってくれたり、スーパーのレジの人が荷物梱包してくれたり、セルフサービスの店でトレイを席まで運んでくれたりと、世の中、ほんと親切な人が多い。全然知らない人に「赤ちゃん何ヶ月ですか?」と声かけられることも多い。赤連れは、世間のあたたみの部分に触れる機会がたくさんあって楽しいです。
特に年配の方が、男女関係なく親切だなぁ…。若い頃は、どうしても自分のことだけでいっぱいいっぱいだけれど、年と共に、周囲を見渡し、他人に対して心を配るすべを得ていけるのだとしたら、年を重ねることは、とっても素敵なことだと思ったよ。

次郎@一郎無次郎@一郎無 2007/12/19 12:43 今月の初めに娘が生まれました。
文章を読みながら娘が中学生になって、芥屋さんのような話しをする事が出来るのかと、健康診断の結果を見ながらしみじみ思いました。

keya1984keya1984 2007/12/23 15:06 飲み会だの何だので気が付くと早くも一週間が経ってしまって…すいません。どうもこう、即レス返しのペースに戻れずにおります。ぼちぼち戻して行こうっと。

>ナナコ

ほんとにね、そう思う。子育てして始めて、どれほどの人の好意や親切に助けられているのかと思うようになった。

それも含めて、以前のエントリにも書いたのだけど、自分が親になってはじめてわかる人と、親にならなくてもわかる人が居て、俺は典型的に前者の口だと思う。「親」に限らず、ナナコが書いてるように「(ある人の)その立場」と広く言えるかもしれない。その人の立場と同じ身になって、はじめてわかる。その身にならないとわからない…という。

他人の気持ちについて同調性や共感性に乏しいがゆえだろうけど、わからないならわからないなりに心配りや気配りができるようになる、という手もあるわけで、それができるようになる歳の取り方をしたいなぁ、と思うよ。

>次郎@一郎無さん

お久し振りです!見ててくれたんですね。すごい嬉しく思いました。お子さんがお生まれになったとのこと、おめでとうございます。娘さんですか…いいなあああ。芥屋家はですね、ここ七十年間というもの男子しか生まれんとですよ。

家の中に女の子という生き物がいたためしがないとこに育ってですね、そりゃ女のことはわからんようになります。それでまぁ、わからないしわかるようになるわけもないのですが(女の立場になることはないのだから)、わからないならわからないなりに…ということで、おお、上の話とつながったではありませんか。すごいや俺w

スパム対策のためのダミーです。もし見えても何も入力しないでください
ゲスト


画像認証

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/keya1984/20071216/1197817172