* 雑役仕事と金が尽きて、もうしばらくになる。おかしなもので足りないときほどしたくなるものだ。創作や自涜、どちらも空想と実感を一致させてゆくという点でよく似ている。台所には甘味料、香辛料、油、肉などなし。あるのはしなびた野菜のいくつかと、わずかな麺類。そしてとうとうあいてしまった靴の孔――そこへ公園のベンチがこちらに近寄ってくる。 おかしなものであまっているときはこういった苦痛について、おそろしく鈍感で、まえにも遭った、経験済みの苦痛をまたしてもやらかしてしまう。反復また反復、おそらく精神医学じゃあ、とっくに名札のついた動きなのだろうが、こちらとしてはどうにもならない。それを知ったところで日雇…