出産直後に乳児を殺害するなどして罪に問われた女性たちの立場に寄り添い、全国各地の裁判に携わる産婦人科医がいる。「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を国内で初めて設置したことで知られる慈恵病院(熊本市)院長の蓮田健さん(57)だ。困難に陥った多くの女性たちを見てきた経験から「『自己責任』のひと言で責められない」といい、境遇を理解した支援の必要性を伝えている。(大久保謙司) 養育が難しい親から乳児を受け入れるために設置されている、慈恵病院の「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)=熊本市西区で(同病院提供) ◆「周りの支援があれば事件には…」 2月28日、さいたま地裁の証言台に立った。「周…