すばらしい日本の戦争

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すばらしい日本の戦争

すばらしいにほんのせんそう

すばらしい日本の戦争」(すばらしいにほんのせんそう)は、小説家高橋源一郎1980年の第24回群像新人文学賞に処女作として応募し、落選した作品である。

また、その作品と、その作品を少し書きかえて1983年に発表した「ジョン・レノン対火星人」の重要登場人物の名前である。


作品の内容を以下に概観するとすると、テーマ(主題)としては、明らかに左翼、或いは新左翼運動に於ける「内ゲバ」を巡る諸問題を取り上げていると言っていいだろう。…しかしながらこの小説は、大量のメタファー(暗喩)等をも縦横無尽に駆使しているから、写実的に描写された「内ゲバの内実」とでも言えるものがそこに素直に吐露されているのでは当然ないのである。…がしかしそれ故にこそ、却ってそのことがもつ悲劇性というか、虚無性というのかが、明瞭に我々読者の心を射抜きうると言えなくもないと想われるのである。 

選考過程

すばらしい日本の戦争」は、予選を通過して最終選考に残った。最終選考の選考委員は川村二郎、木下順二瀬戸内晴美田久保英夫藤枝静男の5名。瀬戸内晴美「1人だけが強く推した」*1が、他の委員からは酷評を受け*2、受賞には至らなかった。


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*1:彼女の選評には、「この小説から物悲しいリリシズムを感じた。」との言が認められるとのことである(高橋源一郎ジョン・レノン対火星人講談社文芸文庫、2004年、232頁。)。

*2:「「……中には、こんなものを読むのは残り少ない余生の時間が惜しい」……という選者もいた。」(同書、同頁。)