カマキリとコオロギ(「虫」の二つ付く虫) 虫を表すのに虫偏の漢字2字を使うことがけっこう多い。いずれも2字を合わせて和名となる熟字訓である(熟語ではない)。 「蟷螂」(かまきり)は気性が荒く、何にでも立ち向かっていく男らしい昆虫である。「當」は「当」の旧字であり、「当(まさ)に向かっていく郎(おとこ)」を意味して「蟷螂」(トウロウ)と書く。 「蜻蛉」(セイレイ)(とんぼ)という漢字は、「蜻」も「蛉」もつくり側が「清らかに澄み切っている」ことを意味し、すっきりした翅をもつ姿のトンボを指す。古くはトンボとカゲロウが混同されていたようで、平安時代に書かれた女流日記『蜻蛉日記』は(かげろうにっき)であ…