アカディアン
(一般)
【あかでぃあん】
フランスのサミュエル・ド・シャプランが1605年に現在のカナダのノヴァ・スコシア州ポート・ロイヤルに築いた初のフランス居留地に移住した人々。フランス西部から500人余りの農民が入植した。
当時、ノヴァ・スコシア、ニューブラウンズウィック、ケベック、メイン州一帯はアカディアと呼ばれており、そこから入植者たちは、アカディアン（Acadian)と呼ばれた。
アカディアを巡る対立
アカディアをめぐって英仏が激しく対立。領有をめぐる複雑な歴史にもかかわらず、一貫して中立の立場を保っているアカディアンだったが、いつしか対立の渦中にのめり込んでいった。
イギリス政府は当初、忠誠を誓うアカディアンに危害を加えなかったが、英仏間にフレンチ・インディアン戦争が勃発、さらにグラン・プレ（ノヴァ・スコシア州）でイギリス兵が殺害される事件が重なり、ついに1755年、チャールズ・ロレンス総督はアカディアンたちに、イギリスに忠誠を誓う最後通牒を突きつけた。彼らがこれを拒否すると、総督は突如『アカディア追放令』を発布。突然の追放令にアカディアンたちは一斉に抗議をしたが、結局、沿海州に住む全てのアカディアンが強制移住を強いられることになった。追放は徹底していてイギリス軍はアカディアンを一人残らず村から追い出すと、村を焼き、定住地に向かう船に乗せた。1755年だけで6000人以上に及んだ追放されたアカディアンは、主にマサチューセッツ、ペンシルバニア、ノースカロライナ、ルイジアナ、フランスなどに運ばれ、家族も散り散りになったという。アメリカのケイジャン（Cajun)はアカディアンの子孫のことを言う。
英単語のAcadianは、もともとはフランス語。南ルイジアナに今でも地域を作っている彼らは訛りのあるフランス語を喋っている。
