日本で2009年と言えば悪夢の入り口の年であるが、世界では金融危機(リーマンショック)の最悪期である。その最悪期に著された著作が "Animal Spirits: How Human Psychology Drives the Economy, and Why It Matters for Global Capitalism" であり、本書はその邦訳である。 アニマルスピリットと言えばケインズの一般理論で提示されている概念であり、一般理論を読んでいるときは「そういう人っているよな」と他人事でいられるのに、実際にスーパーマーケットに行くだけで自分がまさに、合理的には考えればあり得ない選択なのに、…