イスラム王朝の一つ。西暦750年〜1258年
名前の通り、アッバース家を王家とする。同家はムハンマドの叔父、アッバースの子孫である。
ウマイヤ家によるカリフ位の「簒奪」に対して、預言者の血筋にカリフ位を取り戻すことを名分に確立。
バグダッド(バグダート)に都し、5代目のカリフ、ハールーン・アッラシードの時代に全盛を迎える。
その後、衰えて実権を喪失、名目的なカリフとして存続していたが、モンゴル帝国のフラグ・カーンの攻撃によって一旦滅ぼされた。
しかし、その後はマムルーク朝の援護を受けてカリフ位は再興され、オスマン帝国による征服まで続いた。
歴史的思考力を問う問題や歴史学的な観点からの設問は減少し、リード文や資料を読めば解けてしまう国語的な問題が非常に多かったように思える。歴史的思考力系の問題は、複数回答可の【13】・【14】で、これは歴史事象の背景・原因とその結果を考察させるものであった。歴史観の変化・歴史認識の恣意性の問題については、歴史上の評価が時代により変化することを扱おうとする設問もあったが(【11】や【30】など)、本質に迫ることが出来ず知識や国語力で解けてしまうものであった。また目についたものとしては、空欄補充を前提とした上で、その語句に関する設問を作ると言う形式が多い様に感じた。歴史が暗記科目ではないことを示そうと…