アルベルトゥス・マグヌス

一般

アルベルトゥス・マグヌス

あるべるとぅすまぐぬす

Albertus Magnus (1200?-1280)

ドミニコ会修道士にして神学者中世で最も多作な学者といわれ、哲学神学のみならず自然科学全般に精通した博学ぶりから「百科博士」または「普遍博士」(doctor universalis)と尊称される。南ドイツ貴族の出身でパドヴァ大学を経てドミニコ会に入会、パリ大学などで講義を行い、老成後は管区長司教に任じられた。後に(1931年)キリスト教カトリック教会から聖人認定を受けている。思想としては同時代のフランシスコ会学派の思想の潮流とは対称をなし、アラブを経由したアリストテレス主義の学説をいち早く取り入れたことで知られている。アリストテレスの全著作の註釈を行い、その哲学スコラ学・神学の研究に導入、自然科学の方面では単なる註釈・検討に留まらず実証的な批判の姿勢を貫き、自らも自然現象や動植物を観察して時には反論をも交えながらこれを著作化した。アルベルトゥス・マグヌスの時代以後、世界を観察することによって、真実で意義ある知識に達することができるという確信が広まり、自然界への関心が深まっていった。また偽ディオニシウス・アレオパギタへの注解書を書き、ドイツ神秘主義へ影響を与えた。

哲学者トマス・アクィナスの師でもある。1274年には自分を超えた弟子トマス・アクィナスに先立たれるが、終生を弟子の擁護に捧げた。


上記が一般的なアルベルトゥス・マグヌスの解説となる。

以下は民間に広まった虚実混交の「アルベルトゥス・マグヌス」像であるが、多くの場合彼に言及した文章はこの「虚実混交の姿」である場合が多い。

この時代のキリスト教指導者としては非常に珍しい事に魔術や錬金術の知識も豊富だったと言われ、数々の「魔法使いとしての」逸話を持つ。実際に錬金術に関する著作も残している。恐らく修道士としての側面よりも「史実に登場した魔法使い」として良く知られている。

言い伝えでは喋る金属製の頭部(Talking Head)を作成してそれを気味悪く思った弟子のトマスに捨てられる、真冬に暖かな日差しを作り出して野外で食事会を開く…などの話が伝わっている。

なお「大アルベルトゥスの秘法」という魔術書(グリモア)は17〜8世紀に成立したものであるとされる。

主要著作(後年の編纂、翻訳)

  • Secrets des vertus des Herbes, Pierres et Bestes, Paris, 1518. : as Le Grand Albert and Le Petit Albert, many edtions.
  • Summa de Eucharistiae Sacramento, Johann Zainer, Ulm, 1474.
  • De Natural Locorum, H. Vietor & J. Singriener, Vienna, 1514.
  • Philosophia naturalis, Michael Furter, Basel, 1506.
  • De mineraliu Principis philosophorum Domini Albertimagne Ratisponsen, Cornelius von Zieriksee, Cologne, 1499.
  • De Animalibritres. De intellectus et Intelliqibililibri duo, Joannes & Ggregorius de Gregoriis, Venice, 1494.
  • Barrett, Fransis: The Magus, Lackington, Allen, London, 1801.: Citadel Press, Secaucus, New Jersy, 1967.
  • K. F. Kitchell Jr & I. M. Resnick, Albertus Magnus On Animals : A Medieval Summa Zoologica (Baltilore: Johns Hopkins UP, 1999).
  • Hermann Stadler, Albertus Magnus: De animalibus libri XXVI (Münster: Aschendorff, 1916-1921) [Beiträge zur -Geschichte der Philosophie des Mittelalters, Bd. 15-16].
  • Dorothy Wyckoff, Albertus Magnus: Book of Minrals (Oxford: Clarendon, 1967).

参考文献

  • James A. Weisheipl (ed.), Albertus Magnus and the Science: Commemorative Essays 1980 (Toronto : Pontifical Institute of Medieval Studies, 1980).
  • G. Meyer & A. Zimmermann (eds), Albertus Magnus, Doctor universalis 1280/1980 (Mainz: Matthias Grünewald, 1980).
  • A. Zimmermann (ed.), Albert der Grosse, seine Zeit, sein Werk, seine Wirkung (Berlin: De Gruyter, 1981). Miscellanea mediaevalia, 14.
  • Alain de Libera, Albert le Grand et la philosophie (Paris: Vrin, 1991).
  • M. J. F. M. Hoenen & A. de Libera (eds), Albertus Magnus und der Albertismus: Deutsche philosophische Kulture des Mittelalters (Leiden: Brill, 1995)
  • Thérèse Bonin, Creation as Emanation: The Origin of Diversity in Albert the Great's On the causes and the procession of the universe (Notre Dame: University of Notre Dame Press, 2001).
  • Andreas Bächli-Hinz, Monotheismus und neuplatonische Philosophie: eine Untersuchung zum pseudo-aristotelischen -Liber de causis und dessen Rezeption durch Albert den Grossen (Sankt Augustin: Academia Verlag, 2004).
  • Alain de Libera, Métaphysique et noétique: Albert le Grand (Paris: Vrin, 2005).