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アングルドデッキ

一般

アングルドデッキ

あんぐるどでっき

angled deck(英)


angled flight deckの略。空母の飛行甲板で、艦の進行方向から角度を付けた(angled)もの。着艦用として使用される。

概略

もともと空母はflat topと言われるように全通甲板を持ち、そこから艦載機は発着艦を行っていた。とは言っても陸上の飛行場よりも遙かに狭い甲板で運用することの困難は大きかった。

特に着艦時には飛行甲板をクリアにして挑まねば危険が大きかった。着艦と発艦を同時に行えないのは例えばミッドウェー海戦時に見られたように運用上の一大問題だった。

さて、カタパルトが実用化したことで、発艦については従来よりも飛躍的に短い距離で行えるようになった。一方でジェット時代の到来によって艦載機は大型化・高速化して、着陸についてはさらなる困難が予想された。

海軍はこれらの問題に対して、着艦専用の甲板を用意することで対応しようとした。つまり、艦の進行方向上にある従来の甲板その1に重ねる形で、ある程度角度を付けた甲板その1'を追加、V字型(逆ト字型?)に2本(1.5本)の甲板を用意しようとしたのである。

1952年、最初は改造ではなく、英空母コロッサス級トライアンフの飛行甲板に斜めになったもう一つの甲板を「描く」ことで実験が行われ、効果が確認された。米海軍も同様の実験を行った後でエセックス級アンティータムを改造し、アングルドデッキを備えさせた。

以後、新造艦はもちろん、既存艦の改装も進められ、空母の標準的な装備となった。

なお、旧ソ連V/STOL空母*1キエフ級は大型の艦橋構造物*2を持つ代わりに通常の全通甲板を持たず、アングルドデッキのみでヘリ・航空機を運用する変則的な形態となっている。

*1ソ連海軍の種別に従うのであれば航空重巡洋艦

*2:と種々の兵器