封切り二日目。 席数107の【CINE1】の入りは三割ほど。 元々は、ある大富豪のジャストアイディアから転がり出た話。 製薬企業で財を成し、一万人の従業員を養う彼は八十歳の誕生日にふと思い付く。自分の名前を後世に残し、且つ多くの人から感謝されるコトをしたい、と。 自身の名を冠した橋を(地域貢献宜しく)掛ける、と同時に出たのが「賞を獲れるような映画作品に出資する」との企画。 映画であれば短い期間で成果を出せるとの思いも有ったかも。 勿論、本人は仕事にかまけ、文化・芸術なんぞにとんと興味は無く。 ノーベル賞受賞作家の(読んだこともない)小説の版権を金ずくで買い、多くの賞を総なめにした監督をアサイン…