引っ越しを目前に控えたバタバタのせいでなかなか読み進まないが、ウィンストン・ブラック著『中世ヨーロッパ ファクトとフィクション』(大貫俊夫監訳、平凡社)を少しずつ読んでいる。 中世ヨーロッパ: ファクトとフィクション 作者:ウィンストン・ブラック 平凡社 Amazon 大学時代は中世ヨーロッパの美術史を専攻していて、中世の重要さをその頃からひしひしと感じ続けていた私なので、読む前からとても期待していた本であった。だが読み始めた途端にこれは期待通りの、というより今年の最も重要な書物のひとつなのではないかという思いにとらわれている。 そのことは本文46ページの次の一説に端的に窺えると思うのだが、い…