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エメラルドドラゴン

ゲーム

エメラルドドラゴン

えめらるどどらごん

バショウハウス/グローディアが制作したCRPG。1989年発売。通称「エメドラ

プログラマーは池亀治。シナリオ飯淳。

オリジナルはNEC PC-8801mkIISR版。後にPC-9801X68kMSX2FM-TOWNSにも移植された。

コンシューマー機ではPCエンジンスーパーファミコンに移植されている。

あらすじ


舞台は呪われた聖地イシュ・バーン。呪いでイシュ・バーンを追われ、ドラゴン小国(ドラグリア)で暮らしていたドラゴンたちの元に、人間の少女タムリンが漂着した。

タムリンは同じ年頃の幼竜アトルシャンとともに育てられたが、長じてイシュ・バーンに帰っていった。

イシュ・バーンは魔王の軍勢に蹂躙されていた。惨状を見かねたタムリンは、救いを求めるべく形見の角笛を使い、アトルシャンを呼び寄せた。

呪いのため、イシュ・バーンではドラゴンは人間に変身していなければたちまち絶命してしまう。

人間の青年に姿を変えたアトルシャンは、タムリンとともに魔王征伐の旅に出る。


ゲームシステム


バショウハウスが本作の直前に手がけた「サバッシュ」の流れを汲んでいる。

移動時はトップビューの2D画面で、敵に遭遇するとタクティカルコンバット式の戦闘モードになるという、非常にオーソドックスなもの。

戦闘で基本的に操作できるのはアトルシャンのみで、他の仲間達は自動で行動する。

その思考ルーチンのためか、やたら正面から敵に突入するハスラムや、なかなか回復呪文を使わず、「レイ・ヴァース」(通称タムリンレーザー)を撃ってばかりのタムリンに悩まされたプレイヤーが多いらしい。

広大なマップと広大なダンジョンが用意されているが、移動手段は基本的に徒歩のみ。

戦闘では5人パーティのうち誰か一人でも死ぬとその場でゲームオーバーとなる*1

ゲームバランスは決して悪くはないのだが、こうした要素ゆえ、挫折したプレイヤーもいた模様。


エメドラが革命的だった理由


本作がゲーム史に名を残すのは、その物語手法による部分が大きい。

本作では個性的な人物が数多く登場し、膨大なシナリオで物語が描かれる。

アニメ調のキャラが使われるようになったゲームの先駆けの一つ。木村明広がデザインした登場人物達のグラフィックは、ゲームへの思い入れの手助けとなった。

また、要所要所に数々のイベントやヴィジュアルデモが挿入され、物語を盛り上げている。現在ではあたりまえとなったオートデモやムービーデモのはしり。

特筆すべきは、現在ではよく見かけるようになった相談モード。各登場人物の個性を際だたせるのに一役買っている。相談モードの元祖。


凝ったシナリオで描かれる物語、個性的な登場人物、ビジュアルを活用した演出といった、日本ファルコムの「イース」から始まる物語性重視ゲームの流れは、「エメドラ」で一つの完成形を見ることになった。

その後数々のRPGが登場したが、その多くは意識するともせざるとも、「エメドラ」の手法を踏襲しているとも言える。


主な登場人物

  • アトルシャン:主人公。その正体は若き竜。タムリンとは幼なじみ。呪いのため人間に姿を変え、魔王の軍勢と戦う。(cv.関俊彦)
  • タムリン:ヒロイン。故郷イシュ・バーンを守るため魔王と戦うことを決意。その出生には重大な秘密がある。強力な魔法を操る。(cv.笠原弘子)
  • ハスラム:エルバード王国の王子。一見軽薄そうなプレイボーイだが、愛国心と内に秘めた情熱は人一倍熱い。オストラコンの罠で危機に陥る。(cv.井上和彦)
  • ファルナ:エルバードに仕える才媛。ハスラムのお目付役だが、冒険を続けるうち、ハスラムに特別な感情を抱くようになる。(cv.冬馬由美)
  • オストラコン:魔王軍の将軍。人間でありながら魔王に与している。一行を何度も窮地に陥れる強敵。(cv.塩沢兼人)


その他数々の個性的な人物が登場する。


特記事項


1990年代中盤、「エメラルドドラゴン外伝〜イシュ・バーン戦記」が制作される予定だったが、お蔵入りとなっている。

オストラコンが主人公で、魔軍を率いてエルバード王国を追いつめていくというSLGになる予定だった。

*1:もっとも物語展開上、この仕様は理にかなったものではある。