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カフカの階段

(一般)
かふかのかいだん

ホームレスになってゆくプロセスは、小さな段差の階段を一つ一つ降りてゆくようなもの。しかしひとたびホームレスになってしまうと、そこから復帰するには「ものすごい段差の階段を、一気に1段だけのぼる」ようなもの【要するに「壁」で、ほとんど不可能】。
ご自身が日雇労働者である生田武志氏は、カフカの「父への手紙」にある次の一節を参照しつつ、こうした状況を「カフカの階段」と呼んだ。

「たとえてみると、ここに2人の男がいて、一人は低い階段を5段ゆっくり昇っていくのに、別の男は1段だけ、しかし少なくとも彼自身にとっては先の5段を合わせたのと同じ高さを、一気によじあがろうとしているようなものです。 先の男は、その5段ばかりか、さらに100段、1000段と着実に昇りつめていくでしょう。そして振幅の大きい、きわめて多難な人生を実現することでしょう。しかしその間に昇った階段の一つ一つは、彼にとってはたいしたことではない。ところがもう一人の男にとっては、あの1段は、険しい、全力を尽くしても登り切ることのできない階段であり、それを乗り越えられないことはもちろん、そもそもそれに取っつくことさえ不可能なのです。意義の度合いがまるでちがうのです。」


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