エルヴェ・ギベール。作家、1955年パリ生まれ。ル・モンド紙記者をしながら、生涯に17冊の作品を残す。ロランバルトやミシェル・フーコーとの交遊で有名。邦訳のあるものに「ぼくの命を救ってくれなかった友へ」「憐れみの処方箋」「召使と私」「赤い帽子の男」「楽園」 「悪徳」「ヴァンサンに夢中」「犬たち」「幻のイマージュ」「サイトメガロウィルス」がある。写真家としても知られ、邦訳では「写真書物」がある。1991年エイズで死亡。 関連語 リスト::写真家
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【フランス革命前夜】 七年戦争の勝利がプロイセンに栄光をもたらしたように、七年戦争で敗北を味わったフランスでは様々な新思想が登場することになる。それこそが、後のフランス革命後の諸戦争で新生フランス軍が各国を席巻する下地となっていたのはあまり知られていない。 その最も代表的な著作と言われているのが、フランスのギベールによる『戦術一般論』である。この著作の中では国民軍の創設など、後のフランス軍だけでなく近代的軍隊に影響を与えたような先進的な考えも含まれていたが、革命前の保守的なフランス軍内で受け入れられることはなかった。 そのようなギベールの批判者の中でも、軍事思想上で重要な役割を果たした人物がい…
はじめに 2023年10月7日、パレスチナ武装勢力の攻撃により、イスラエルとパレスチナの武力衝突が始まりました。真に残念ながら双方に多数の死傷者が出ており、これ以上の犠牲者が出る前に、双方が早期に戦闘を終えることを強く望みます。 本稿は、なぜ西アジアにユダヤ人の国民国家イスラエルが建国されたのか、そしてイスラエルが建国されたことが、ユダヤ人にとってどのような歪みをもたらしているのかについて論じるものです。その意味で、本稿は「パレスチナ抜きのパレスチナ問題」の解説となります。不十分であることを恥じつつ、このような方向からの時事解説は余りないと思うため、空隙を埋めることに寄与すれば望外の幸いです。…
目まいのする読書 20年で変わる社会と言葉遣い 言葉はつねに過渡期にある 対訳で読み、日本語を鍛える 「似ている」→「似る・似せる・真似る」→「なりきる」→「なりかわる」 目まいのする読書 目の前に三冊の本を置いて、同時には無理ですから、それぞれをつまみ食いするようにして読んでいるのですが、さすがに目がまわってきます。あちこち視線を移動させるせいか、読んでいて頭の中がこんがらがるせいか、目まいに似た感覚に襲われます。 本物の目まいは不快だし苦しいですが、目まいに似た感覚はときとして快感である気がします。 現在読んでいるのは小説で、次のような場面で始まります。 * 主人公であるトムがあとをつけら…