ケスラー・シンドローム

サイエンス

ケスラー・シンドローム

けすらーしんどろーむ

NASA研究者D.ケスラー博士が唱えた、破滅的な説。


詳細

衛星軌道上にある人工物(衛星)に人工物が衝突すると、相対速度が非常に大きいために大破して、多数の破片=スペースデブリを生じる。

その破片は衛星軌道上にばら撒かれることになり、そのため衝突確率が上昇する。

その破片が他の人工物に衝突すると、また新たに破片を生み、衝突確率が上昇し・・・という、悪循環に陥る。

こうなると衝突確率は次第に加速的に上昇していき、最終的に衛星軌道は破片に埋め尽くされ、いかなる手段を持ってしても、そこより外への宇宙空間へは往来不可能となるため、結果として人類は「地球に閉じ込められる」格好となってしまう。

 

ケスラー博士の最初の論文は、後の研究者らにより、

「破片が円軌道を描くものと想定している(現実には楕円軌道)」

「近似値*1の取り方が不自然」

などの問題が指摘されている。

 

しかし、スペースデブリの数が増加の一途を辿っていることは実験でも確かめられており、現在、ケスラーが警告した悪循環に突入しつつある(あるいは、すでにしている)という可能性自体は、多くの研究者により支持されている。


*1:現在存在する、あるいは今後発生するであろうスペースデブリ全ての運動を計算で求めるのは事実上不可能なので、ケスラーもその後の研究者も、それぞれの仮定の下にスペースデブリの振る舞いを近似値として扱い、大幅に計算を簡略化している。