ゲーテッド・コミュニティ―米国の要塞都市
「ロシア宇宙主義」「アフロフューチャリズム」「サイバースペース論」という三部構成で、近代や資本主義を脱しようとしたユートピア思想を概観していく。 SFマガジンでの連載をまとめたもの。 木澤佐登志の著作は以前から多少気になってはいたものの、自分の興味関心の中ではそれほど大きくなかったことと、何となく取り扱っている内容のあやしさを警戒して*1手を出していなかった。 今回、宇宙主義が取り上げられているということで、読んでみることにした。 とはいえ、もう少し宇宙主義以外の文脈もある。 読むまでの経緯とか 手に取ったきっかけ ロシア宇宙主義に以前から興味があったというのは、桑野隆『20世紀ロシア思想史 …
マスダールシティという壮大な都市開発は、アラブ首長国連邦 (UAE) により2006年あたりから着工されたビッグプロジェクトだ。 2016年までに200億ドル投入して、人口5万人の街を砂上に創り出す。環境に優しくユーザーフレンドリーな最先端エコシティが生まれ出る、はずである。 どうやらこれまでに建設されたのは目標の5%程度らしい。産業集積も停滞していようだ。 ja.wikipedia.org 当時の鳴り物入りの夢のプロジェクトだったようなわけだが、このハイテクシティのニュースは2023年8月時点でググっても古い記事しか引っかからない。 2016年の下記の記事が計画縮小を奉じている程度だろうか。…
今日は湿度高めなのかね。昨日よりも蒸し暑い。なんか今日は【ライオンズゲート】??とか云われてる日なんだってね。西洋占星術とタロットカードが関係してる?とかスピリチュアル系の話?等など。詳しい方やその筋の【伝道師】の方々がブログやSNS、Youtube等で今日という日の意味を伝えてるみたいだね。内容としては季節によってゲートの種類が異なって時期が来ると【ゲートが開く】、【ゲートが閉じる】と。うーん。「ゲーテッド・コミュニティ」的な話なのか。「門番」は誰だ?!というのが私の率直な感想。概要だけ調べただけだから私はまだ充分に理解できてない。理解できてないからとりあえず漢字に置き換えておこう。 「獅子…
これは 日本人の「活気」と「ゆとり」はいつから消えたのだろう の続きです。 ξ 確かに1990年代半ばから、急速にサブカルチャー(=生活思想)が変化したことは事実だった。それは感性的に、はっきりとわかった。*1 それ以前、家族が信じられ、仲間が信じられ、会社が信じられ、世の中も何となく信じられ、そして未来も何となく信じられる楽天性、肯定性がメジャーな心性であったとしたら どう考えても大規模な層(=中間層)への経済的裏付けなしに不可能だったと思える。 20世紀の「一杯のかけそば」のような、一過性の貧困「美談」はメジャーな生活思想には決してならない。 低下し続けた家計可処分所得と最終消費支出 ξ …
サンドロ・メッツァードラとブレット・ニールソン『方法としての境界、あるいは労働の多数化』第一章「境界の増殖」の訳の作業メモ1。 0 The World Seen from a Cab タクシーから見える世界 1 原文 Anyone who has used the taxi system in New York City over the past decade will know the vast diversity that exists within the labor force that drives the city's yellow cabs. Fewer people will…