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コメントスクラム

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コメントスクラム

こめんとすくらむ

弁護士小倉秀夫氏の造語メディアスクラムとコメントを組み合わせたもの。

メディアスクラム
社会的関心の高い事件などに対する報道機関の取材行動によって引き起こされる被害のこと。事件の被害者や容疑者およびその親族,近隣に住む住民に対して,多くの取材者が押し寄せたり過剰な取材が繰り返されたりすることによって,取材対象者のプライバシーが侵害され,日常生活が脅かされる。報道被害。集団的過熱取材。
三省堂提供「デイリー新語辞典」より

ブログのコメント欄に批判的なコメントが集中し、対処しきれなくなること。 「フレーミングflaming=炎上」とは区別される概念。 「掲示板」等における「公的」な(公園的な)ネット空間上で起こる「フレーミングflaming=炎上」に対し、ブログのコメント欄などの「私的」な(自宅的な)ネット空間上で起こるものをそう呼ぶ。 そこが私的な領域であるがゆえに、より直接的なコメントが多くなり、更にはスルーもしにくくなる、といった特徴を持つ。

以下は小倉秀夫氏自身によるコメント。

ised@glocom 倫理研第4回: 共同討議 第1部(4):炎上からコメントスクラムへ――公園(2ちゃんねる)/自宅(ブログ)のメタファーを手がかりに

(開催:2005/05/14、 議事録公開:2005/07/25)

小倉

 まず、私は基本的に炎上という言葉は使わないんです。というのも、2ちゃんねるに代表されるような掲示板で行われるものと、ブログで行われているものとは、性質的に異なると考えています。私の理解では、「フレーミングflaming=炎上」とは掲示板で起こる現象を示す言葉であって、ブログのコメント欄に対して起きるものは別の表現を与えるべきです。そこで私は「コメントスクラム」という言葉を使っています*1。「コメントラッシュ」のほうがいいと提唱されている方もいますが。

 フレーミング(掲示板)とコメントスクラムブログ)のもっとも大きな違いは、掲示板では悪口や荒らしを言われていてもスルーしやすいという点なんですね。つまり、しょせん2ちゃんねるなど見ている人はそんなに多くはないかもしれないし、とくにその問題のスレッドを見ている人は非常に少ないわけですよね。仮にそのスレッドを見ていたとしても、「あなた、この間2ちゃんねるでこんなこと書かれていたけど、本当ですか?」だなんて、恥ずかしくて聞けません。2ちゃんねるの書き込みを信頼しているというのは、まともな世の中では恥ずかしい行為ですから(笑)。

 ところが、その本人のブログのコメント欄でわけのわからない悪口が書いてあるとなると、自分のことを知っている人が見ている可能性が高いし、なかなかスルーしにくいわけですね。コメントスクラムをやっている人々からも、どうも「このブログ主を潰してやれ!」という印象も強く受ける。僕のところにも「早く閉鎖しろ」あるいは「コメント欄を閉じろ」といったことがよく書き込まれているんですが、これまでの炎上と異なるのは、この直接相手に対して明言する度合いがかなり激しい点だと思います。

(中略)

 リアル空間に例えると、別に公園で悪口を言われていても気にならないけれども、自分の店に入って悪口言われるとやはり気になる、といった感じですね。

 公園では話を聞いている人もいるし、噂話している人もいるかもしれないけど、知らなきゃ知らないでいい。たまたま通りかかって噂話を聞いても、立ち止まらずにどっか行っちゃえばいいだけの話なんです。

 しかし、自分の店で自分の悪口をえんえんと毎日言い続けている人が来ると、これは放置しにくいわけです。しかも悪口を言いに来る人は覆面をかぶっていて、自分が誰だか分からないようにしている。これはやはり対策をとる必要があるでしょう、と。

 小倉自身による別の場所での定義は以下。

小倉秀夫の「IT法のTop Front」:コメントスクラムについて

(2005/04/16)

 ブログを開設していると、コメントが多数殺到し、執拗に批判や非難、質問が繰り返されることがあります。コメント欄に、低レベルの批判や非難、くだらない揚げ足取り、ブログ主やブログ主を擁護しようとするコメンテーターを困らせまたは消耗させることを目的とした質問等が延々と繰り返されると、当該ブログのコメント欄は雰囲気が荒涼としてしまい、良質の読者は去ってしまいがちです。また、低レベルな批判等であっても、それを真に受ける人々は少なからずいるので、ブログ主の名誉も傷つけられてしまいます。

 このように、特定のブログのコメント欄に、多数のコメンテーターが殺到し、ブログ主を批判、非難、中傷したり、揚げ足取りやくだらない質問が執拗に繰り返される現象を、メディアスクラムになぞらえて、「コメントスクラム」と私は命名しました。

 なお、小倉秀夫氏に批判的な一部の人達は氏を揶揄するためのジャーゴンとして使う。

 また、エントリーとしての初出は以下と見られる。

小倉秀夫の「IT法のTop Front」:コメントスクラムへの対応

(2005/01/10)

 ある種の思想集団(必ずしも組織化されているものを指しているわけではありません。)の気に入らない発言をblogで行うと、当該思想集団から大量の批判的コメントやAAが継続的に寄せられることがしばしばあります。AAがコメント欄に書き込まれてしまうのは「2ちゃんねる」文化を有している日本のネット界の特徴なのでしょうが、その点を除けば、マスメディアの「素朴な正義感」に引っかかる言動を行った人間がマスコミに取り囲まれ質問やら批判やら罵詈雑言やらを浴びせかけられて身動きがとりにくくなる「メディアスクラム」に類似します。