多数者が利用できる共有資源が乱獲されることによって資源の枯渇を招いてしまうという経済学における法則。
生物学者のハーディン(G.Hardin)は同名論文(1968年)の中で,農民がより多くの利益を求めて牛を放牧するために共有地(コモンズ)を自由に利用できる限り,共有地の荒廃は防ぐことはできず,結果的にすべての農民が被害を被ることを指摘し,コモンズの悲劇と呼んだ。
2024.03.10 NFTの過剰供給が金のガチョウを殺すだろう(An Oversupply of NFTs Is Going to Kill the Golden Goose) テーマ:英語のお勉強日記(7815) カテゴリ:NFT An Oversupply of NFTs Is Going to Kill the Golden Goose NFTの過剰供給が金のガチョウを殺すだろう Welcome to the new tragedy of the commons コモンズの新しい悲劇にようこそ Illustration: Julia Moburg/Medium; source: Get…
問い:長期にわたって持続的で自律的な共的資源管理を可能にする社会規範は、どうして維持されてきたのか? 入会地とか里山とか、なんだか素晴らしいもののように語る人たちのことがちょっと苦手だ。「協働」とか「絆」って言葉も、目の前に突きつけられるとちょっとビビる。 吉本隆明が「人間は本当はひとりで生きたいのだが、仕方なく社会をつくった」みたいなことを言っている。たしか『中学生のための社会科』という本の中に書いてあったと思う。 吉本さんがそういうことを言うのは、「孤独」というものが人間の核にあるのだという人間観を持っているからだろう。吉本さんに影響を受けている糸井重里は「ひとりでいるときの顔が想像できな…
イントロ コモンズのガバナンス―人びとの協働と制度の進化―作者:エリノア・オストロム晃洋書房Amazon 授業準備でいろいろと本を読まないとならない。私は遅読なので、なんでもかんでも読んでるわけにいかないから、読むべき本を効率的に絞り込んでいくしかない。 せっかくなので、もう少し方法論という奴を取り入れて読んでいきたい。例の『独学大全』に出てくる本の読み方を実践してみるのだ。 独学大全――絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法作者:読書猿ダイヤモンド社Amazon 今回扱う本はオストロムの『コモンズのガバナンス』。「コモンズの悲劇は現実には必ずしも発生しないよ」というのを実証…
Munakata Taisha Shrine, Munakata, Japan 1.4/40 Summilux ASPH, LEICA M10-Pこの間、web3の世界的なメディアであるCoinDeskの日本版を運営するb.tokyo (N.Avenue) のYear End eventがあり、成田修造さん、川崎ひでとさんと登壇した*1。「Year End Party / CoinDesk JAPAN・btokyo」開催しました!Special Sessionでは、貴重なご登壇者の皆様のお話を聞きながら、時には笑いもあふれ、2023年の最後を飾る素晴らしい時間となりました。セッション後のパーテ…
グリーン経済学――つながってるけど、混み合いすぎで、対立ばかりの世界を解決する環境思考作者:ウィリアム・ノードハウスみすず書房Amazon ノードハウスの本は『気候カジノ』につづいて2冊目。 評判がいいので読み始めてみて、今のところ18章まで読み終わっているのだけど、正直かったるい。冗長なんだよ…。この内容ならたぶん200ページくらいで収められると思うんだけどなあ。 今のところの印象は、「環境経済学+α」といった感じ。環境経済学の教科書と同じようなこと言ってらあ、というところもかなり多いのだけど、もうちょっと広い視野を持っているようにも思う(環境の話だと思ってたのに、11章なんかはコロナパンデ…
長年、開発経済学の研究者として活躍し、『なぜ貧しい国はなくならないのか』といった開発経済学の入門書も書いている著者による自らの研究の総決算的な本(ただし、本書の書きぶりをみてると「総決算」というのは早いかもしれませんが)。 現場、実証、理論を行き来しながら、「何が農業と工業の発展の鍵なのか?」ということを探っていく本で非常に面白いです。 近年の開発経済学というと、ノーベル経済学賞を受賞したバナジーとデュフロらが進めるRCTを使った研究がさかんですが、著者はRCTだけは国全体の経済を発展させるような理論は見いだせないと考えています。 一方、FDI(海外直接投資)に関する研究の分野では、現場を知ら…
○○の××、誰々の何々、といった言葉のまとめ
日記 Unlike previous technologies, AI has a structure similar to the tragedy of the commons. The impressive pictures generated by AI are a result of its learning process, where it consumes a vast amount of art created by human creators. These AI-generated pictures are inexpensive. However, if the mark…
Philosophical Foundations of Climate Change Policy (English Edition)作者:Heath, JosephOxford University PressAmazon 第4章 The Case for Carbon Pricing(カーボンプライシングの課題) イントロ 前章で議論したように、気候変動を世代間正義の問題として考えるのはミスリーディングである。もし将来世代の厚生を促進することが義務でないのだとしたら、温室効果ガス排出はなぜ「悪」なのだろう? 先に回答を述べておこう。それは、温室効果ガス排出によって「負の外部性」が生み出さ…