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サテム

一般

サテム

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 インド・ヨーロッパ語族を、音韻変化の特徴から大きく二つに分類するとき、その一方を「サテム語群(サタム語群)」と呼ぶ。古代イランペルシア)でゾロアスター教ザラスシュトラ教)の経典文書を記したアヴェスタ語で「百」をsatam(satamの後ろの「a」は英語の -er の発音などに見られるようなあいまい母音)と呼ぶことに由来する。他の一群は「ケントム語群」である。

 サンスクリット語インド系諸語(ヒンディー語ベンガル語グジャラート語、ロマ人の言語など)、ペルシア語などインドイラン系の言語や、スラヴスラブ)系の諸語(ロシア語ポーランド語、ブルガリア語やかつて聖書の翻訳に使われた「古代教会スラヴ語」など)、リトアニア語などバルト系言語、アルメニア語などがこの系統に属する。おおむね「インド・ヨーロッパ語族の東側の言語がサテム語群」と考えてよいが、トカラ語のみはケントム語群に属する。

 サテム語群は、インドヨーロッパ語の「祖語」または「基語」で「ki(キ)」や「ke(ケ)」と発音されたと推定される音を、古い時代に、すでに日本語でいえば「サ行」や「シャ行」の音に変化させている(これを「口蓋化」が進んでいるという)点が特徴である。