ルイ16世の裁判 運命の、国王裁判 1792年末から、国民公会では、元国王、ルイ16世の処遇についての議論が戦わされていました。 国民公会は間接選挙ながら男子の普通選挙で選ばれた議員で構成され、立法機関であるとともに、諸委員会には執行権もあり、行政機関でもありました。 この、三権分立になっていない体制が、権力の集中を生み出し、恐怖政治を可能にしたのです。 議会は、国王を擁護する王党派とフイヤン派、裁判に慎重なジロンド派、処刑を求める山岳派(ジャコバン派)に分かれていましたが、若いジャコバン派の活動家、サン・ジュストが『国王であること自体が罪なのだ』と演説すると、大勢は国王有罪に傾いてゆきます。…