イスラム教の一派。シーアとは「党派」の意味で、「アリー派」を意味する「シーア・アリー」の略称。
第四代カリフのアリーを預言者ムハンマドの後継者とし、彼の子孫をイマームと奉ずる諸派の総称。誰をイマームとするかとか、アリーやイマームを神格化したりしなかったりで多数の分派がある。
そういうわけで、実際には(例えばギリシア正教に対するロシア正教のような形で)「シーア派」という単一の分派があるわけではない。
イスラム教においてはスンナ派が多数を占めるので少数派(約2割)である。
シーア派内最大は十二イマーム派(イラン等で多い)。
マホメット(ムハンマド)の死後、彼は、宗教指導者などを指名しなかったため、信者達が、指導者としてカリフを選出していた。第三代カリフが不満分子により暗殺された後、その後継問題によって分裂する。
第四代カリフに選出されたアリーを支持した一派が後のシーア派になる。
アリー支持派は元々支持母体が弱く、アリーは暗殺される。アリー不支持派の実力者のムアーウィヤがカリフになり661年ウマイア朝を開くことで分裂が決定づけられる。
少数派となったシーア派は、分裂を繰り返し、過激派集団をたびたび出現させている。イスマーイール派に属するニザール派などがその例である。