『ともぐい』で直木賞を受賞した北海道の別海町出身の作家・河崎秋子さん。「この作家は、他にどの様な作品を・・・」と興味を持って、短編・中編を収録した文庫本『土に贖(あがな)う』と『鯨の岬』を読んだことは、前にブログに書いた。 作家の松井今朝子さんが『土に購う』の解説で、「河崎さんの強みは、厳しい自然と対峙し、文字通り地に足のついた生業で培われた、 羨ましいほどにタフな心身の生みだす、現代では実に稀な逞しくもおさおさしい筆力であろう」と述べているのに同感して、今回、ブックオフで探して読んだのが、2017年に刊行した『肉弾』と、前回、直木賞候補になった『締め殺しの樹』だ。 今回も「河崎秋子さんは、ど…