ジュール・シュペルヴィエル[Jules Supervielle](1884-1960) ウルグアイ、モンテヴィデオ出身のフランス人作家。詩人。 生後間もなく両親と死別し、その後は祖母と伯父夫婦に育てられ、パリに移り住んだ。 神話的・幻想的世界観を詩、小説、寓話で表現し、詩集「悲しきユーモア」発表以降注目される。 代表作に詩集「万有引力(重力)」「桟橋」、小説「沖の少女(海の上の少女/海に住む少女)」「ノアの箱舟」など。
18時過ぎに喫茶店に入った。ビルの地下1階にある、初めて入る店。18時過ぎというとだいたい喫茶店は空いてくる時間なのだけど、この店はほぼ満席で、入り口に近い席が1つだけ空いていたから、そこに通された。 コーヒーと、サンドイッチやスープやサラダのセットを頼んだら、「お時間少々頂戴しますが宜しいでしょうか?」と訊かれたので、構いません、と答える。 手帳を広げて、手帳にペンを走らせる。これができるなら、別に何分待たされても構わない。昔長崎の四海樓*1で1時間半並んだ時だって、ひたすらノートにペンを走らせていたのだ。 しばらく書いていて、ふとペンが止まったときに、さっき本屋でシュペルヴィエルの『海に住…
【あ】アーモンドの樹(ウォルター・デ・ラ・メア)アイオワ野球連盟(W・P・キンセラ)愛しているといってくれ(マージョリー・ケロッグ)愛の果ての物語(ルイザ・メイ・オルコット)青い花(レーモン・クノー)赤い高粱(莫言)赤毛のサウスポー(ポール・R・ロスワイラー)悪魔なんかこわくない(マンリー・ウェイド・ウェルマン)悪魔に食われろ青尾蠅(ジョン・フランクリン・バーディン)悪魔の収穫祭(トマス・トライオン)悪魔のベッド(ジャン・レイ)悪魔はぼくのペット(ゼナ・ヘンダースン)悪夢の化身アシスタント(バーナード・マラマッド)明日に別れの接吻を(ホレス・マッコイ)熱い太陽、深海魚(ミシェル・ジュリ)あっぱ…
清水茂『詩と呼ばれる希望―ルヴェルディ、ボヌフォワ等をめぐって』(コールサック社 2014年) フランスを舞台にしたエッセーを読んでいたら、なぜか清水茂を読みたくなりました。この本は、清水茂のフランス滞在を題材にした初期エッセイとは違って、副題にあるように、ルヴェルディ、ボヌフォワ、シュペルヴィエルの詩や詩論を軸にして、詩について語ったものです。取り上げられている詩は、私好みのものが多く、また上記3詩人の詩についての考え方にも共鳴する部分があり、面白く読めました。ただ違和感のある著者の文章もいくつか目につきましたが。 とても心に響いた詩句は次のようなものです(すべての引用ができないので核心の一…
2月刊行予定の『教科書の中の世界文学』の目次を公開いたします。 戸塚学共編『教科書の中の世界文学』(三省堂) 目次 第1章 現代 カフカ「掟の門」/チェーホフ「カメレオン」/知里幸惠「銀の滴降る降るまわりに」/◇コラム:新しい高校国語科目と外国文学第2章 九〇年代 尹東柱「たやすく書かれた詩」/李正子「生まれたらそこがふるさと」/チャペック「切手蒐集」/プルス「休暇に」/アンダスン「トウモロコシ蒔き」/◇コラム:読みものとしての「手引き」第3章 八〇年代 ヒューズ「夢」/マラマッド「夏の読書」/ヤーコブレフ「美人ごっこ」/サンソム「垂直な梯子」/◇コラム:「名訳」という定番教材第4章 七〇年代…
渡邊十絲子『今を生きるための現代詩』(講談社現代新書 2013年) 大岡信+谷川俊太郎『エナジー対話 詩の誕生』(エッソ・スタンダード石油株式会社広報部 1975年) 大岡信×谷川俊太郎『対談 現代詩入門』(中公文庫 1989年) 分かりやすく面白そうだったので、ふと手に取った渡邊十絲子の本のついでに、二人の代表的詩人が自らの詩体験や、現代詩の辿ってきた道を振り返る対談シリーズを読んでみました。三冊とも本音で率直に語っているのに好感が持てました。 渡邊の本は、体験に基づいて自分自身でよく感じ考えた結果を素直に書いていて、そういう意味ではオリジナルな感じがあります。前半の安東次男の「薄明について…
8/1(火) 通所146日目。 8/2(水) 通所147日目。 8/2(水) 金井美恵子『タマや』(河出文庫 1999.6)を買った。 8/3(木) 病院。 8/4(金) 通所148日目。 8/4(金) 神は目を閉じた。誰かに祈ることさえできたなら。 (ロン・カリー・ジュニア『神は死んだ』藤井光訳 白水社 p33) 懐かしく思って泣いてしまいそうなものなど、一つも思いつかなかった。 (p40) 衝動があって、行動がある。それだけなんだ (p67) 崇拝の対象になることは排除の最たるものなのかもしれない、などとは思いもよらなかった。 (p147) 僕と話をする数少ない人たちは、何か間違ったことを…
読んだ本 恩田陸『七月に流れる花』 恩田陸『八月は冷たい城』 『百合小説コレクション wiz』 柴崎友香『春の庭』 シュペルヴィエル『海に住む少女』 クラウディア・マーティン『世界の廃墟島』 六嶋由岐子『ロンドン骨董街の人びと』 『七月に流れる花』『八月は冷たい城』:連作。周囲から隔絶された学園というテーマでいうと名作『麦の海に沈む果実』を連想させられる。不穏な空気感とどこか幻想的な舞台設定の相性が秀逸。 『海に住む少女』:訳者あとがきの「フランス版宮沢賢治」という評が言い得て妙。寓話的で詩的な文章の中に、どこか不穏で死の気配も感じさせる物語が美しかった。 『ロンドン骨董街の人びと』:エッセイ…
安藤元雄がボードレールの『悪の華』を全訳したのは意外に遅く、1981年47歳の時で、自身の詩人の活動はそれよりだいぶ早く、1953年東大教養学部に入学し、学内の詩人サークルで入沢康夫や岩成達也などと知り合ったのち、シュペルヴィエルを卒論で選択、卒業年の9月に23歳ではじめての詩集『秋の鎮魂』を刊行している。それから61年、2018年までに刊行された全9冊の詩集を本書は収めている。 『秋の鎮魂』(1957) 23歳『船と その歌』(1972) 38歳『水の中の歳月』(1980) 46歳『この街のほろびるとき』(1986) 52歳『夜の音』(1988) 54歳『カドミウム・グリーン』(1992) …
■今日買った本。計13437円。 a)万歩書店本店にて。→初入店。 1,2・加藤伸吉『バカとゴッホ(全2巻)』講談社 各¥99 3,4・五十嵐大介『SARU (上・下)』小学館 各¥99 5・ヴォーン・コーニッシュ、東洋恵訳『風景の見方』中央公論社 ¥580 6・山口隆二『時計』岩波新書 ¥748 7・M・イリーン、玉城肇訳『時計の歴史』鮎書房 ¥1403 8・思い出の腕時計エッセイ大賞事務局・編『腕時計物語』ポプラ社 ¥467 9・A・ビオラ・ミッチェル/アイダ・B・クロフォード・共著、兼松保一訳『キャンプカウンセリング』ベースボールマガジン社 ¥1155 10・清水一行『ぽるのどいっこう5…