いやー、すごい映画を観ちまったぜ……。 単純な筋なのに、ものすごいドラマティック。しかも飽きさせない。ひとえに、俳優の演技力、存在感、そして映画ならではの編集方法に尽きる。 まず、冒頭からやられた。 人を殺してきたピエール(ジャン・ギャバン。若い!しかしカッコいい。カッコよすぎる。セクシーという言葉がぴったり)に、酔っ払った女がぶつかり、絡む。立ち去るピエール。その後、女が、白いドレスに付いた血に気づき、叫ぶ。その背景の夜の黒が、コントラストを際立たせるため、最大限に〈黒〉にしてある。 ピエールは外人部隊に入る。そこで出会うミュロ(アイモス。この人、『巴里祭』で出てくる小悪党の子分役をやってい…