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ジョアン・ミロ

(アート)
じょあんみろ

Joan Miró(1893年4月20日-1983年12月25日)
スペインの美術家。
スペイン、バルセロナ生まれ。カスティーリャ語読みで「ホアン・ミロ」と表記されることもある。現在はカタルーニャ語読みを尊重し、「ジョアン・ミロ」と表記されるのが通例である(但し、厳密にカタルーニャ語の発音に従えば「ジュアン」がより適切とされる)。

1911年に神経衰弱と腸チフスの療養のため、カタルーニャの小村モンロッチに滞在。この頃から画家をめざす。
バルセロナの前衛美術の拠点であったダルマウ画廊などを通して、ピエール・ルヴェルディ、フランシス・ピカビア、ギヨーム・アポリネールらに影響を受ける。
1921年にパリ、ブロメ通り45番地にアトリエを構え、隣人アンドレ・マッソンを知る。以降モンロッチとブロメ通りのアトリエを毎年往復ながら制作を続ける。マッソンのアトリエを中心に集まったブロメ街グループのメンバーの殆どがシュルレアリスム運動に参加していたことから、ミロをシュルレアリストの一員とする評価が一般的である。

人間精神が千もの問題でこりかたまっているというのに、そんなものにはまるで気をとめないでいるジョアン・ミロの場合、たぶんその心中には、ただひとつの欲望、つまり、描くために、描くためにのみ(彼にとって、まちがいなく手段を自由にできる唯一の領域に自分を限定するためにのみ)、純粋なオートマティスムに身をゆだねるという欲望だけがあるのだろう。私は私で、この純粋なオートマティスムをよりどころにすることをかつていちどもやめないできたのだが、どうやらミロのほうは、独力で、その深い価値、深い根拠を、ごく簡略に立証してきたのではないかと気にかかる。なるほど、たぶんその点からして、彼こそは私たち全員のなかでもいちばんの「シュルレアリスト」である、とみなされてよいかもしれない。
(アンドレ・ブルトン『シュルレアリスムと絵画』、巖谷國士・瀧口修造監修、人文書院、1997年、61頁)

とはシュルレアリスム運動の中心人物アンドレ・ブルトンによる一節であり、殆どのミロ評伝において引用されている。
また、ルネ・マグリットやサルバドール・ダリ、ポール・デルヴォーら古典的、写実的な作風の画家たちと比較して、自動記述(オートマティスム)の画家とされることもある。
1927年にパリ、トゥールラック通り22番地のアトリエに転居。マックス・エルンスト、ジャン・アルプらと親交を深める。
1920年代のミロの作風は、《アルルカンの謝肉祭》や「オランダの室内」連作のような明るい色彩と有機的な形態を特徴とする絵画群と、「夢の絵画」連作やコラージュ作品のような、点や線、単純な形態のみのモノクロームに近い作品群とに大別される。


1930年代からはバルセロナ、パリ、パルマ・デ・マヨルカのアトリエで制作。1934年に画商ピエール・マティスと契約を結び、36年にはニューヨーク近代美術館で開催された「キュビスムと抽象芸術」展に出品。37年にはパリ万国博覧会スペイン館に、パブロ・ピカソの《ゲルニカ》と共に《刈り入れ人》(遺失作品)を展示し、スペイン人民戦線への支持を訴えるなど、反フランコ政権の立場をとった。
1944年から陶器、1946年からブロンズ彫刻の制作を開始、晩年には壁画やタピスリーまで幅広い活動を行った。特に第二次世界大戦中の「星座」連作は有名である。戦後にはジャクソン・ポロックら、アメリカにおける抽象表現主義の思想的源泉として評価された。
スペインのパブロ・ピカソや、作家アーネスト・ヘミングウェイ、彫刻家アレクサンダー・カルダー、日本では瀧口修造などと交流があった。

国内の主な作品

  • 《花と蝶》1922-23年、横浜美術館
  • 《絵画》1925年、愛知県美術館
  • 《パイプを吸う男》1925年、富山県立近代美術館
  • 《絵画》1933年、豊田市美術館
  • 《ゴシック教会でオルガン演奏を聞いている踊り子》1945年、福岡市美術館
  • 《夜の中の女たち》1946年、大原美術館
  • 《無垢の笑い》1969年、国立国際美術館

Miro

Miro

ジョアン・ミロ (現代美術の巨匠)

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ミロ NBS-J (ニューベーシック・シリーズ)

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Joan Miro (Contemporary Art)

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Joan Miro: Selected Writings and Interviews (Documents of Twentieth-Century Art)

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Miro: Masterworks (Masters of Art Series)

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Joan Miro

Joan Miro

Joan Miro: Selected Writings and Interviews (DOCUMENTS OF TWENTIETH CENTURY ART)

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