ジョルジュ・アルノー

社会

ジョルジュ・アルノー

じょるじゅあるのー

(本名アンリジラール 1918−87年) フランス小説家。1949年に発表した小説『恐怖の報酬』(クルーゾー監督が1952年に映画化)ですでに有名だったが、57年に、ジャック・ヴェルジェスとの共著『ジャミラ・ブーヒレッドのために』(FLNのために爆弾を運んだ容疑で逮捕され、拷問の末、有罪判決を受け処刑されたアルジェリア人の少女ジャミラを擁護する本)を発表し次第にアルジェリア戦争に関心を寄せてゆく。1960年2月、ジャンソン機関の〈若きレジスタンス〉のメンバーの一斉逮捕によってフランス本国内でFLNを支援する機関の存在が初めて公のものになり、ジャンソンは地下潜行するという状況の中で、アルノーは4月、指名手配中のジャンソンとの会見記事を日刊紙『パリ=プレス』に掲載して逮捕された。6月に開始された彼の裁判は出版の自由(取材源の秘密保持の権利)を守るための戦いとなり、アルノー側の証人として、サルトル、フランソワ・マスペロ、ピエール・ヴィダル=ナケといったアルジェリアの独立支持派のみならず、フランスのアルジェリア統治を支持する日刊紙『オロール』の編集長ロベール・ラジュリックまでもがアルノーの弁護を行うと同時に、二百名のジャーナリストが声明を発表してアルノーの行動を支持する証言をした。アルノーへの判決懲役2年(執行猶予付き)だったが、この裁判を通じて、FLNの闘いの正当性とフランス政府の不当な弾圧の実体をフランス人自身の手でフランス中に暴露した意義は大きかった。