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スー・リオン

映画

スー・リオン

すうりおん

Sue Lyon。〈数理on!〉

ウラジミール・ナポコフの同題小説を、スタンリー・キューブリックが映画化した『ロリータ』(1961)で主演した女優。

1946年の7月10日アイオワ州うまれなので、彼女は当時まだ15歳であった。が、とても色っぽく、今年(2006年)1月14日になくなった・当時39歳の胸の大きな母親役シェリー・ウィンタースを完全に食ってしまっていた。生意気に大人っぽく、それでいて喧しい親へは裏で顔を思いっきり顰めて見せたり、子供らしい不細工さをも披露するのに、そういう複雑な演技が要求されても生硬さがなく、新人とは思えぬ卓越した演技だったので当然、世界は驚喜した。

その後、ジョン・ヒューストンの『イグアナの夜』に出たり、『荒野の女たち』、『トニー・ローム/殺しの追跡』、『恋とペテンと青空と』、『キャプテン・アメリカ』、『クラッシュ!』、『エンド・オブ・ザ・ワールド』、『アリゲーター』、『サイキック・マーダー』…と例年のように出演するも、デビュー作が余りにも鮮烈であったために、それと比較されて“神童”は零落していった〈という程でもないが〉。

ロリータ』如き、駄作である。ストーリーはしょうもなく、主人公のハンバート・ハンバート=ジェームズ・メイソンが、シェリー・ウィンタースのラブレターを鼻で嘲笑うシーンなんか、画面を殴らずには居られない。が、スー・リオンただ一人の功績で、この映画は不滅である。

エイドリアン・ラインが1999年にドミニク・スウェインで撮り直しているが、そしてこちらの方が原作の「12歳」というロリータの設定に1歳か近かったが、しょせん人の口には乗ぼらない駄作であるのに対し――F・W・ムルナウの『吸血鬼ノスフェラトゥ』を取り直したヴェルナー・ヘルツォークのようなものである、誰も何も敢えて評おうとはしない――、原型となった1961年版は彼女一人で持ち、永らえるだろう。