文芸評論家。近畿大学国際人文科学研究所教授。 1949年新潟県生まれ。学習院大学中退。「日本読書新聞」編集長、 日本ジャーナリスト専門学校専任講師などを経て、 2002年より現職。
「すが」は糸へんに圭と書きます。絓秀実、すが秀実、糸圭秀実。
『ガンダム』における実存とキャラクター 〜その時代背景との影響関係? 私小説的キャラクターの実存性 実存的キャラクターの社会的背景 〜60年代の学生運動 学生運動後と『機動戦士ガンダム』 情報化社会とイメージの実体化 内面のリアリティ 〜実存からキャラへ、似姿から願望へ…? 気になったら読んで欲しい本 安彦良和『アニメ・マンガ・戦争』 絓秀実『増補 革命的な、あまりに革命的な』『1968年』 吉本隆明,大塚英志『だいたいで、いいじゃない』 大塚英志『「ジャパニメーション」はなぜ敗れるか』 宮台真司『制服少女たちの選択』 『ガンダム』における実存とキャラクター 〜その時代背景との影響関係? 私小…
私がいまだに「趣味は読書」という言葉に違和感しかもてない、その状態というのをすこしは、垣間見ていただけたのか、とも思うが、結句それはお他人からの納得も、もちろん共感や同情も求めていない、どころか納得されることにも共感されることにもすぐと反発を仕掛ける性質の、違和感なのだと思う。私は世間一般の人びとの言う「読書」なるものにおよそ軽侮の念しか抱かぬ。電車のなかで本を読んでいる人のことをみても、それを下らぬ本なのだろうとしか思えぬ。てんから私はひとのことを莫迦にしきって見下している。社交の場における私のことではなく直情の私のことをいえばおそらくそうなるのだろうと思う。スノッブは人に優しくせねばならぬ…
不幸なことに、みずからの半生をつとふりかえってみた時に、趣味は読書です、と言って済ませることのできた期間の、ほんの一期間とてなかった私なのである。もちろん、これからも「趣味は読書」は私の身に起こりうるものではないだろう。ひとは物書きをめざした時から、趣味としての読書を放棄せねばならなくなり、読むことはもっぱらみずからの虚構を作り出す営みの、糧でしかなくなる。わかりやすい例でいって、保育園にかよっていた頃、私は雑誌に掲載されている徳育を目的としたような小説を、原稿用紙にマネて作って、それを保育士にみせて大いに感心を買ったことがある。惨めな記憶とは別段思わぬ。それ相応に、人の歓心を買うことに私は必…
「知」的放蕩論序説 作者:蓮實 重彦,渡部 直己,菅谷 憲興,スガ 秀実,守中 高明,城殿 智行 河出書房新社 Amazon 東大総長をやめた蓮實重彦がスガ秀実、渡部直己ら最良の聞き手を前に大学、思想、映画などの現在と未来を縦横に語った痛快無比・話題騒然の「読書人」連続インタビューを一冊に集成。 1 大学をめぐって2 文学と映画をめぐって3 思想と歴史をめぐって
灼熱地獄! 先月の。 2023年7月に読んだ本と近況 - 宇宙、日本、練馬
浅田彰『構造と力』といえば、ポスト構造主義の前史から当時の最前線までを扱った優れた思想史の書と見做されており、実際に紙幅の多くはラカンやドゥルーズ=ガタリといったポスト構造主義者の理論に対する議論に充てられている。だが本全体の底流にはマックス・シェーラーやゲーレンらの人間学、またシュレディンガーやウィーナーらの生命論といった文脈が流れていることを、ある人は微かに感じ、またある人は強く意識するであろう。 蛮勇を畏れずに要約するならば、ここで用いられる人間学とは「ヒトは本能を失った生き物であり、それを補うために文化を創造した」というテーゼであり、生命論とは「生命とは負のエントロピーを摂取することに…