スペクタクル社会

一般

スペクタクル社会

すぺくたくるしゃかい

状況主義を唱えたギ・ドゥボールの『スペクタクルの社会』(木下誠訳、平凡社、1993)によって示された理論

実体を伴わないままに、スペクタクル現象が引き起す、支配構造の隠蔽と撹乱は、実体そのものを忌避する世代をつくり出すという。

スペクタクル社会

1950年代フランス思想家、ギードゥボールが唱えた概念。多くの人々が受動的な観客の位置に押し込められた世界、映画の観客のようにただ眺めることしか残されていない、資本主義の究極の統治形態をいう。

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近代的生産条件が支配的な社会では、生活全体がスペクタクルの膨大な蓄積として現れる。かつて直接に生きられていたものはすべて、表象のうちに追いやられてしまった。

社会のスペクタクル化とは、人間のコミュニケーション能力そのもの−−つまり、人間が世界や他者に向かって開かれているということ−−が商品化され、スペクタクルという物象となって私たちのもとにやってくる事態である。そうなると、私たちは、自分のコミュニケーション能力の行使に対して、ただ観客として立ち会うことしかできなくなるのである。このようなコミュニケーション能力そのものからの私たちの疎外を、ポスト・フォーディズムにける労働の状況の特徴と捉えているのが、「労働者主義」operaismo, workerismの流れを汲む現代イタリア哲学者たちに共有された認識である。

田崎英明

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