スロースリップ

サイエンス

スロースリップ

すろーすりっぷ

スロースリップとは、通常の地震*1とは異なり、ゆっくりと断層が動いて地震波を放射せずにひずみエネルギーを解放する特異な現象

地震によるすべりを伴わない「サイレント地震」と、地震によるすべりを伴う「スロー地震」に分かれる。

大地震の後に、その余波としてスロースリップを起こすこともある(アフタースリップ)。

概要

2000年代初頭から日本で稠密な観測網により検出されるようになった。その後、日本だけでなく、世界中のプレート境界においてもスロースリップの検出が相次いだ。現在では、プレート境界の断層では、スロースリップと高速なすべり(通常の地震)の両方が発生していて、お互いに影響を及ぼしあっていると考えられている。

プレート境界で発生するスロースリップは、さらに短期スロースリップと長期的スロースリップに分けられる。短期スロースリップは、およそ数日間かけて発生する現象で、東海地方四国地方では数か月に1回の頻度で発生していることが知られている。

また、長期的スロースリップは、数か月から数年かけて、プレート境界がゆっくりすべる現象で、東海地方四国地方では、過去に繰り返し発生していたと推定されている。また、短期スロースリップや長期的スロースリップが発生しているときには、深部低周波地震活動が活発になると言われている。

スロースリップイベントは、ひずみ計、傾斜計、GNSS観測などで検出することができる。また、水準測量のデータなどから、過去のスロースリップイベントを見付ける試みも行われている。

一方で、スロースリップイベントが高速なすべり(通常の地震)に与える影響などを、数値シミュレーションによって明らかにしようとする研究も進められている。

*1断層が高速(1秒間に約1m)にすべり、地震波を放射する