3.7エンタメにはおばか枠という領域ががあり、映画でいえばエドウッドやトロマなど、低予算・B級と呼ばれる映画群で、概してアメリカ産の印象がつよい。(これはカナダ映画だけど。) もともと日本人は、アメリカ人にたいして、細かいことにこだわらず、おおざっぱで明るい──という紋切り型の先入観をもっている。 それが陽性な映画の風合いと重なり、大味なアメリカ映画を見ては「おばかだなあ」と嘲笑する見解が定番化した。(もちろん愛着心も込めて、だが) だが、じっさいにおばか映画を生産しているのは日本であって、わたしたちはがんらい人様の国のエンタメをおばかなどとけなせる立場にはない。 火口のふたりという映画があっ…