『月は無慈悲な夜の女王』(R.A.ハインライン)に出てくる言葉。「無料の昼食はない(There Ain't No Such Thing As A Free Lunch)」の略。
作中、この言葉の意味が語られるバー(?)には、まさに“昼食無料”の表示があるのだが、語り手のマニーはそれを指して、
「あれがなければ、この飲物だって半分の値段ですむはずなんだ。(略)どんなものであろうと無料のものは長いうちには二倍も高いものにつくか、あるいは無価値なものとなる」
「どんな物であろうと、手に入れるものは、それに対して支払うんだ」
と説明する。
なんであれ無料で手に入るものはなく、一見して無料に見えるものにも必ず代価がある、といった意味。
数学の最適化問題においては、「ノーフリーランチ定理」は
「あらゆる問題で性能の良い汎用最適化戦略は理論上不可能である」
(逆に、ある分野で性能が良ければ他の分野では性能が劣ることになる)
という意味で使われる。