9/28 木 Paris - San Sebastián (Donostia) 機体は太陽を背負って大西洋沿岸を降下していく。わたしは飛行機の窓からバスクの山々が織りなす不思議なリズムをもった景観を見下ろす。この土地を覆う草木の緑はフランスのそれよりもずっと濃く、深い色合いをしているように見えた。 ビルバオ空港でマドリード組と合流して、わたしたちは5人で長距離バスに乗り込み、スペイン語ではサン・セバスチャン、バスク語ではドノスティアと呼ばれる街へと向かった。道なりに立っている標識はすべてスペイン語とバスク語の二言語表記。インド=ヨーロッパ語族とは異なるバスク語の独特な綴りは、目にするたびにわた…