ダリット

社会

ダリット

だりっと

インドヒンドゥー教カースト制度における不可触民総称。

ヴァルナ≪カースト制度の主な4つの身分(バラモンクシャトリヤ・ヴァイシャ・シュードラ)≫に属さない人びと(アウト・カースト)のこともいいアチュートという。「不可触賎民(アンタッチャブル)」とも翻訳される。力がなくヒンドゥー教庇護のもとに生きざるを得ない人々である。にも拘らず1億人以上もの人々がアチュートとしてインド国内に暮らしている。彼ら自身は、自分たちのことを『ダリット』(Dalit) と呼ぶ。ダリットとは壊された民 (Broken People) という意味で、近年、ダリット人権を求める動きが顕著となっている。


未だに強い影響力を持つカースト制度であるが、下層カーストカースト外のアチュートであっても何らかの手段で良い職業に就くこともできる。スポンサーや自らの財力で国外に渡り、国外で教育を受け、更に実力を認められた後に帰国し、インド国内でも影響力を持ち続ける人々もおり、インド大統領だったコチェリル・ラーマン・ナラヤナンもその一人である。


最近の都市部ではカーストの意識も曖昧になってきており、ヒンドゥー教徒ながらも自分の属するカーストを知らない人すらもいるが、農村部ではカーストの意識が根強く残り、その意識は北インドよりも南インドで強い。

アチュートの人々にヒンドゥー教から抜け出したり、他の宗教に改宗を勧める人々や運動もあるが、動きは弱い。そこには、長い歴史と深い心理的な記憶がある。

例え、改宗しても移住しなければ事実上カースト制度の枠外から脱出できなことも原因の1つといわれる。

インドにはイスラム教徒が13.4%もいるが、ほとんどが戦前からの信者であり、他のキリスト教徒2.3%、シク教徒1.9%、新仏教運動信者<インドの伝統のもの【小乗仏教】でなく初代インド法務大臣アーンベードカルが事実上再興したもの>0.8%弱、非新仏教運動上座部仏教徒0.1%弱、ヒンドゥー教の割合が戦後もほとんどかわらず人口の約8割を保っているのは、改宗しても移住や教育を受け金銭的に成功しなければ意味がないという上記のことも原因の1つされ、問題の解決の糸口すら彼方の状況である。