韓国の伝統的な格闘技「テコンドー」と、サッカーを組み合わせた新しいスポーツ。
基本的にはサッカーに近いルールで行われるが、随所に違いが見られる。
ボールを奪うことよりもいかに相手にダメージを与えるかということが重要視され、
サッカーでは非常に悪質な行為とされるヒジ撃ちやアフタータックルなども
この競技においては必須の基本技術。
審判に悟られないよう、ボールと無関係な場所でこっそりと相手に見舞うといった
いわゆる「オフ・ザ・ボール」の動きにも磨きをかけたい。
なお、スライディングタックルの際は必ず足の裏を相手に向け、
パスを出した直後などの無防備なタイミングを狙い、
ケガをした場合には選手生命に関わるような場所を狙うのが上級テクニック。
試合を有利に展開するためには、ボールを支配し、相手ゴールに少しでも迫ることが必要なのは
サッカーと変わらないが、ポゼッションのためには球捌きやパスのテクニックよりも
審判を欺き、いかにファールをもらってマイボールにするかが重要になる。
そのため、相手と少しでも接触した場合には、プレーに影響があるかどうかとは無関係に
とりあえず大げさに倒れることが大切。
相手がスライディングタックルに来た場合は大きなチャンスなので、
実際には接触していない場合でも大げさに倒れこんだり、
時には文字通り華麗にダイビングするテクニックが求められる。
運悪くレベルの高いレフェリーに当たってしまい
シミュレーションと判断される場合もあるが、その場合でも
「自分がいったい何をしたんだ?」「審判はちゃんと見て言ってるのか?」
という尊大な態度を前面に出してシラを切るのが正当な振る舞いである。
また、時には髪を振り乱し鬼の形相で食って掛かったり、
気が触れたかと思われるくらいに取り乱しながら抗議することも大事である。
試合中思うようなプレーができずフラストレーションが溜まるような場合には
相手チームのベンチにシュートを叩き込むなどして精神的リフレッシュをはかってもよい。
敗因について尋ねられた際には「審判が買収されていた」などと
相手のプレーだけでなく政治力も讃える器の大きさを見せなければならない
最近では2007年、“サッカー”のACL(アジア・チャンピオンズリーグ)準々決勝の舞台において
韓国の全北現代モータースが躍動感と闘志に満ちあふれたテコンサッカーを披露し
未だこの競技を知らない人たちに新鮮な驚きを与えた。