父,司馬談の意志を継ぎ,“宮刑”という屈辱的体験の中から生み出された「史記」.著者司馬遷が辿った人生,思想を掘り起し,古代ヨーロッパの歴史家との比較研究を試みたユニークな史記研究――. 司馬遷『史記』以前に,40世紀にわたる民族の歴代正史の道はない.本紀12巻,書8巻,年表10巻,世家30巻,列伝69巻及び「太史公自序」1巻を併せた130巻の52万6,500字.ヘロドトス(Herodotus)やトゥキディデス(Thukydides)の『歴史』と並び,『史記』は史策の不滅的記念碑.エドゥアール・シャヴァンヌ(Edouard Chavannes)は,本書により,バートン・ワトソン(Burton W…