→ドストエフスキー
らした。しかも、千五百ルーブリの金を持っていた、――一たいそれでは金をどこから持って来たのだ?』と諸君はおっしゃるでしょう。けれど、千五百ルーブリだけ見つかって、あとの半分がどうしても見つからなかったという事実は、その金がぜんぜん別の金、――封筒にも何にも入ったことのない金かもしれぬ、ということを立証するではありませんか。すでに厳密な考究によって証明されている時間から計算しても、被告が女中たちのところから、すぐ官吏ペルホーチンのところへ走って行って、自分の家へもどこへも立ち寄らなかったし、その後も、しじゅう人中に立ちまじっていたことは、予審でも認められ、かつ証明されています。してみれば、被告が…
『ドストエーフスキイ全集 第12巻 カラマーゾフの兄弟 上』『ドストエーフスキイ全集 第13巻 カラマーゾフの兄弟 下(1959年、米川正夫訳、河出書房新社)(2.06MB)の第二回目の校正をおわらせました。 これで、『カラマーゾフの兄弟』全体の、二回目の校正を終わらせたことになります。『カラマーゾフの兄弟』二回目の校正終了 カテゴリーの記事一覧 - 『カラマーゾフの兄弟』『悪霊』『アンナ・カレーニナ』『白痴』(米川正夫・訳)の完全電子化をすすめるブログ