哲学的問題への関心は、この世界への愛着である どうにも勤勉というには程遠い学生だったが、いつも近くに哲学がある環境は、それはとても心地がよかった。私たちは、ずっとわからない何かを確実なように語っていた。 卒業論文を書いた。大したことのない文章だが、心底で漂うテーマであり、私の人生においては重要なものだった。 論文に対して教授からは「哲学的な思索ができている」と手短な評価をもらった。私は、哲学的な思索が簡単なものではないと知っているから、ほしいと思っていたものだから、それだけでとても嬉しかった。執筆期間は特殊な感情と精神状態だったが、今思えばあれが思索という行為だったのかもしれない。 そして、 …