コーヒーを淹れて、ヘッドフォンを装着して、キーボードに指を置く。頭の中には映像と静止画と文字列が混ざり合ったものが浮かんでいて、それを逃さないようにキーボードを叩く。キーボードを叩く間は何も考えない。すると、いつの間にか小説ができている。 そうやってほとんど無意識で小説を書いているので、「起承転結」とか「ハコガキを作る」とかいうやり方がまったくもってピンと来ない。とはいえ天才ではないので、何もかもを無意識で行えるはずもない。小説の書き方の本なら何冊も読んできた。脚本術や漫画術の本を参考にしたこともある。シナリオ教室にも通った。 無意識で、というか、感覚または勘で書いているので、小説の直しがとに…