バートルビー

読書

バートルビー

ばーとるびー

ハーマン・メルヴィルの代表的中篇の一つである、「代書人バートルビー」("Bartleby the Scrivener")*1に出てくる人物。カフカを先取りしているといわれる、人間の実存を脅かす不条理な存在性が、非常に魅力的。特に、バートルビーがことあるごとに繰り返す名台詞とも言うべき一節、「しないほうが良いのですが」(原文では"I would prefer not to", "I'd prefer not to")*2は、20世紀以降の作家に大いに気に入られ、文学上の一種のクリシェになっている。

*11853年にPutnam's Magazineに、匿名にて掲載されたのが初出。その後、1856年短編集The Piazza Talesに収録された。

*2:古い訳では、「御免こうむりたいのですが」という訳もあるが、これではバートルビーのこの台詞の意図は伝わりにくいだろう。