クリント・イーストウッドという監督は、"アメリカの精神"を描くと、どこかでかで読んだことがあるが、本作はアメリカ人が理想とする父と息子の関係が描かれていたように思う。 脱獄犯ブッチ(ケビン・コスナー)と人質になった8才の少年フィリップ(T・J・ローサー)が車で逃避行をするうちに、次第に擬似父子のような感情をお互いに抱き始める。その過程が時に微笑ましく、そして愛おしい。 エホバの証人の信者である母親の信仰のせいで子どもらしい欲求 ー ハロウィンやクリスマスなどを我慢してきたフィリップにとって、ブッチは抑圧された現実から解放し、冒険する楽しさを少年に教えてくれた。強い父親のように、生きる術を、思い…