ヒラメ

動植物

ヒラメ

ひらめ

カレイ目ヒラメヒラメヒラメ

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学名:Paralichthys olivaceus

 「タイやヒラメの舞踊り」といわれるように、古来から日本の代表的な海水魚の一種。太平洋西部が主な分布域で、日本ではほぼ全海域に見られる。その体系は一般的な他の魚と大きく異なり、体は楕円形で著しく左右に平たく、明確に表裏が分かれ、海底に対し裏側を下にして平行に泳ぐ。眼のある表側は灰褐色で、暗褐色と帯白色の斑点が散在する。対して裏側は明瞭無地の白色。沿岸の砂泥質の海底を好み夜行性で、昼は砂泥中に身を潜め頭だけ出し、砂から出る場合は体の色を周辺の海底と同じ色に変化させる。主に海底の小魚、貝類、ゴカイ等の多毛類を食べる。体長80cm。大きいものでは1m、9kgほどになる。

 同様の体型をもつ魚であるカレイとよく比較されるが、その区別の方法としては、口、腹部を向かって手前に。眼が向かって奥側に来るように置いたときに、頭部が左側に来るものが、ヒラメ。右側に来るものがカレイである。「左ヒラメの右カレイ」と唱え覚えることができる。しかしこれは、ヒラメ、カレイともにその逆に頭部がくる変異種、近縁種が存在するため、絶対確実な区別方法ではない。また、ヒラメはカレイよりも口が大きく、歯の一つ一つも大きくて鋭い獰猛な顔つきをしている。産卵期は3月から7月で、浅瀬にきて浮遊性の卵を産む。孵化したばかりの稚魚は他の魚と同様の体型だが、成長とともに眼が徐々に左に寄り、2,3cmほどまで成長すると成魚と同じ体型となる。

 旬である真冬のヒラメは、春のマダイと並ぶ極上の高級食材である。刺身、昆布締め、鮨、酒蒸しなどで食されるが、洋風にムニエルなどにしてもまた美味い。背ビレ、尻ビレの付け根である縁側。肝などの特定部位も特に珍重される。

 北海道から長崎まで多くの漁港で水揚げされるが、青森県八戸漁港ヒラメは特にその水揚げ量も多く、味の評価が高い。「青森の天然寒ビラメ」は同じく青森の「大間のマグロ」などと同様、超一級品である。しかし、大間のマグロが地元では殆ど口にされないのに対し、ヒラメ青森県内での消費量も高い。また、カレイよりも成長が早いため、産地での養殖も盛んである。養殖と天然を見分ける方法としては、養殖ヒラメの裏側は、白色無地にならずに褐色の部分があらわれることが知られている。

 秋刀魚の旬が終わる寒の候、基目細やかで心地良い弾力があり、あっさりとした白身であるが、複雑で芳醇な旨味を持つヒラメの刺身は、日本の冬、最高の味覚の1つではないだろうか。


 ヒラメの目が上についていることから,上級審裁判長の動向ばかり気にする裁判官を「ヒラメ裁判官」と呼ぶこともある。