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ビル・ウォルシュ

スポーツ

ビル・ウォルシュ

びるうぉるしゅ

Bill Walsh(1931年〜2007年)

本名William Ernest Walsh。アメリカンフットボールのコーチ。現代フットボールにおける最重要戦術の一つ、ウエストコーストオフェンス(ウエストコースト攻撃)を開発し、これによって大きな成功を収めた*1

ヘッドコーチとして、1979年〜1988年の間NFLサンフランシスコ・49ersを率い、地区優勝6回。スーパーボウルに3回進出し、そのすべてに勝利した。

概略

1931年11月30日、カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ。

1966年オークランド・レイダースプロフットボールコーチとしてのキャリアをスタートする。1968年から1975年にかけてはシンシナティ・ベンガルズで名将ポール・ブラウンの下でアシスタント・コーチを務め、この時期に後のウェストコーストオフェンスの着想を得たとされる。

1976年サンディエゴ・チャージャースで初のコーディネーター職に就任。

1977年からスタンフォード大でヘッドコーチを務める。ここでの成功により、1979年サンフランシスコ・49ersヘッドコーチに就任。「ランのようにパスを投げる」ウェストコースト攻撃をNFLでも展開し、リーグを席捲。XVI、XIX、XXIIIと三回のスーパーボウル制覇を果たす。

三度目のスーパー制覇後に引退。10年間の通算成績は102勝63敗1分。

その後、解説者、スタンフォード大のヘッドコーチ49ersGM職などを務める。

殿堂入り1993年

2004年に白血病であることが判明して以来闘病生活を送っていたが、2007年7月31日、永眠。

「ウェストコースト」オフェンス

ウォルシュ自身はこの名称に反対し、「ニッケル・アンド・ダイム」*2と呼んでいた。また、まれには「バター・アンド・ブレッド」とも呼ばれる。

何にせよその骨子は、一種のバクチであるはずのパスを(きちんとデザインされた短いパスを使うことで)ランと同様の安定性を持って運用できるようにした点にある。

本来パスは1回でファーストダウンを獲得できるようなビッグゲインを狙うプレイだったはずだが、ウォルシュは5ヤード獲得できるだけでよしとした。当時のディフェンス理論ではそんなパスを止めるためのフォーメーションは存在しなかったため、失投やキャッチミスといった要素を無視すれば、パスは必ず成功するはずだった。もちろん、逆にディフェンス側のミスタックルがあれば、5ヤードでなく10ヤード獲得できるだろう。

もちろん、十分な確度でパスが成功するのであれば、従来の「ばくち」であるパス攻撃では不可能だったボールコントロールを行うことも可能になる。

*1:「ウェストコーストオフェンス」とは、本来はドン・コリエルの用いたバーティカル攻撃のことを指すとの指摘も一部にあるが、ここでは一般的なニッケルダイム攻撃の意で用いる。

*2:無理矢理に日本語訳すれば「5セント玉と10セント玉」か