国際交流女性センターに入ると、何の楽器だろうか、今まできいたこともないような弦がはじけるさびしげな音色の民族音楽が流れていた。 誠一郎は別世界にやってきたような感じがしていた。 奥の方では平日なので大勢の女性がつどっていた。男性の老人の姿もちらほら目に入った。年配の女性たちは物品販売コーナーに集まり、華やかな配色の民芸品を手にもって品定めをしている。テーブルセンター、ポーチ、壁飾り、ショルダーバッグ、ペンケースなどが陳列台に並べられていた。ミャンマー(ビルマ)を紹介する書籍も並べられていた。 中央の台にのったガラスケースには竪琴が飾られている。まるで古代の船のような湾曲した形でビルマの竪琴と書…