Fortepiano
初期のピアノ総称。 現代のピアノ(pianoforte)とは音色、音量、鍵盤数等が大きく異なるため、区別してこう呼ばれている。 ハンマーフリューゲル(Hammerflugel)と呼ばれる場合もある。 モーツァルト、ベートーヴェンらが実際に使っていたピアノはこのタイプである。
チェンバロ フォルテピアノ
シミルボン投稿日 2020.10.04 チェンバロ フォルテピアノ 作者:渡辺 順生 東京書籍 Amazon 私は1980年代後半からクラシックを聴き始めたのだが、その頃は古楽の黄金時代で、何かしら新しい発見が次々と紹介されていた。私は聴き始めに、レオンハルト様のフーガの技法に出会い、衝撃を受けたので、もっぱらバロック音楽やルネサンス音楽を収集していた。古楽の有名人も次々と来日し、私もレオンハルト様、ビルスマ様、コープマン様などとお会いできた。良い時代だったと思う。 昔話はともかく、本書は日本のチェンバロ界の第一人者がまとめた13世紀から18世紀に及ぶ鍵盤楽器(オルガン除く)の網羅的な歴史書。…
https://www.rokkatei.co.jp/wp-content/uploads/2022/08/221127.pdf ↑今回の演奏会チラシです。 ※pdfファイルです。 今回(2022/11/27)のふきのとうホール主催公演は、「オリジナル楽器で聴くブラームス」の第2回目です(第1回は2017/07/04)。ブラームスの時代に一般的だった、フォルテピアノとガット弦を張った弦楽器による演奏。大好きなブラームスの室内楽を、作曲当時のものと近い楽器による演奏で聴ける!とあって、私は企画発表当初から楽しみにしていました。 オリジナル楽器で聴くブラームスⅡ 佐藤俊介×鈴木秀美×スーアン・チャ…
毎年、同じ場所の写真です。名古屋市千種区の平和公園の散策コース。神奈川の自宅でノンビリ自堕落な生活をして体が鈍ってきたので、久しぶりにゆっくりと歩きました。気持ちの良い季節になりました。秋ですね。2022年10月6日、撮影。 10月9日(日)、久しぶりに宗次ホールに。 「川口成彦、フォルテピアノ・リサイタル」。フォルテピアノの演奏を生で聴くのは初めてでした。パンフレットに記載されていた川口さんのメッセージ、「フォルテピアノ、18世紀から19世紀の古いピアノ、に初めて触れた時にピアノという楽器は『鍵盤楽器』である以前にハンマーで弦を叩いて音を出す『(打)弦楽器』なんだということをより一層鮮明に感…
もうかなり前に、モーツァルトの手掛けた作品ジャンルの一つとしてヴァイオリン・ソナタの概略は述べた一方、このジャンルに属する個別の作品についてはまだ取り上げていないことに気付いたので、今回はそれを果たすべく、「ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 変ロ長調 K.454」をご紹介したいと思います。 mozart-cafe.hatenablog.com モーツァルトはこのジャンルの作品を数多く残しており、作曲年代についてもほぼ全生涯にわたっていること、およびモーツァルトのヴァイオリン・ソナタは、そのほとんどが音楽を愛好する貴顕――特に淑女――への贈り物として、何曲かまとめて作曲されているということは、…
ベートーヴェンの演奏を聴く友人たち 中期の最高傑作 今回は、ベートーヴェンのピアノソナタ 第23番 ヘ短調 作品57《アパッショナータ(熱情)》を聴きます。 ベートーヴェン中期の頂点を極めた、最高傑作とされています。 《悲愴》《月光》と並び称して、ベートーヴェンの〝3大ソナタ〟とされていますが、傑作は《ワルトシュタイン》など他にもたくさんあるので、〝3大短調ソナタ〟あるいは〝3大人気ソナタ〟といったニュアンスと思います。 作曲は、1804年あたりから、オペラ『レオノーレ(フィデリオ)』と並行して作曲され、1805年には一応完成し、出版交渉に入っていますが、その後もベートーヴェンはこの楽譜を持ち…
ワルトシュタイン伯爵の紋章 祝!!反田恭平さん、小林愛実さん 第18回ショパン・コンクール、反田恭平さん2位!、小林愛実さん4位!の快挙、おめでとうございます!! ヨーロッパの音楽に対する日本人の表現が、ここまで評価されるのは本当にうれしいことです。 クラシック音楽は民族の歴史や精神を背負っていますから、それを外国人が表現するのは並大抵のことではないはずです。 ヨーロッパ人が能や歌舞伎を演じるようなものですから。 パリの最新ピアノを手に入れて さて、このブログは引き続きベートーヴェンです。 ハイリゲンシュタットの苦悩を乗り越えたベートーヴェンは、再びピアノソナタの創作に打ち込みます。 ピアノコ…
フランソワ・ブーシェ『夏のパストラル』 もうひとつの〝田園〟 ベートーヴェンのピアノソナタをさらに聴いていきます。 前回の〝月光ソナタ〟の次の作品は、第15番 ニ長調 作品28〝田園〟です。 ベートーヴェンの〝田園〟といえば、シンフォニー第6番ですが、ピアノソナタにもあるのです。 1808年に作られたシンフォニーの方は作曲者によって『シンフォニア・パストラーレ(田園交響曲)』『田舎の生活の思い出』と題されていますが、この1801年に作曲されたこのソナタには、ベートーヴェンは何も標題はつけていません。 例によってベートーヴェンの死後、1838年にハンブルクの出版社クランツが楽譜に『ソナタ・パスト…
テーマは何か? ベートーヴェンの2曲セット『2つの幻想曲風ソナタ 作品27』の2曲目が、有名な〝月光ソナタ〟〝ムーンライトソナタ〟です。 ピアノソナタといえばまずこの曲の名が思い浮かぶ、ソナタの王者です。 まさに降り注ぐ月の光のように幽玄な第1楽章。 短いけれど憧れで胸がいっぱいになる第2楽章。 地獄から湧き上がるかのような激しい情念に圧倒される第3楽章。 この曲の与えるインパクトの強烈さから、ベートーヴェンがなぜこの曲を書いたのか、彼はこの曲にどんな思いを込めたのか、作曲当時から作曲者の死後に至るまで、様々な説、解釈が唱えられてきました。 いわく、叶わない恋へのやるせない思いをぶつけた。 い…
矛盾した?タイトル 前回に続き、ベートーヴェンの〝実験期〟のピアノソナタを聴いていきます。 1800年から1802年にかけて作られた2曲のソナタ「作品27」は、特に『幻想曲風ソナタ Sonata quasi una Fantasia』と名付けられ、1802年に出版されます。 幻想曲(ファンタジア)は、モーツァルトも何曲か書いていますが、曲の内容が幻想的、ファンタジック、という意味ではありません。 形式にとらわれず、作曲者の自由な発想、想像力のおもむくままに作られた曲、というニュアンスのジャンルです。 若きベートーヴェンがウィーンにピアニストとしてデビューして喝采を浴びたのは、即興演奏でした。 …
アキレス腱を射られて死ぬ英雄アキレス(アキレウス) 〝卒業〟後も先輩を意識? 前回の変ロ長調のピアノソナタ 第11番で、初期創作の総決算を行ったベートーヴェン。 これ以降は〝実験期〟と言われる時期で、これまでの枠組みにとらわれず、新しい道を探っていきます。 ここからは1曲、1曲が独創的で、ベートーヴェンならではの強烈な個性が香り立つ世界が繰り広げられていきます。 と言いながら、次のピアノソナタ 第12番は、またモーツァルトを意識した作品なのです。 ベートーヴェンが元ネタにしたのは、有名な「トルコ行進曲」のついた、ピアノソナタ 第11番 イ長調 K.331。 ソナタなのに、ソナタ楽章がひとつもな…
晴。 NML で音楽を聴く。■モーツァルトの弦楽四重奏曲第二十三番 K.590 で、演奏はプラジャーク・クヮルテット(NML、CD)。■モンポウの前奏曲集〜No.5, 6, 7, 8, 9, 10 で、ピアノはオレナ・クシュプラー(NML)。2024.2.27 などに聴いてヤナーチェクがよかったクシュプラーだが、このモンポウもなかなかいい。ほぼ無名のピアニスト。2011年の録音。モンポウ:前奏曲集/歌と踊り/内なる印象(MOMPOU, F.: Preludes / Cancons i danses / Impresiones intimas)アーティスト:オレナ・クシュプラーCapriccio…
モーツァルトのバイオリン協奏曲を教材にして、古典作品と基礎的なところを教わる。 何度言われても古典をロマン派作品のように暑苦しく弾いてきたのは、私が意固地な訳ではない。 未習得のまま復習していなかったことと、細かに奏法の指示がなかったという2つの理由で、そもそも中途半端な指示でどう復習するのかと思う。A教室のH・I・M各講師はモーツァルトとバッハでせっかく事細かに指示したが、教える側に根気がなかったので覚える前に行けなくなり、とても残念だったことをふと思い出した。習う側の状況の変化で続かなかったK教室は逆パターンの残念賞。 結局、かつての講師陣の指示の言い控えが害毒になっていて、最初からひたす…
川口成彦 フォルテピアノの響き を見る。お好み焼きを焼く。池尻大橋に出て大橋図書館。高津で降りてみると火曜日休み。宮前平に出て、宮前図書館。自転車を借りて戻る。きくらげの玉子炒めとかぶのスープと酢鶏。豚さん最終回を見る。 大橋図書館 壊れても仏像 丸山眞男セレクション MUSIC LIFEザ・ビートルズホワイト・アルバム・エディション 作りやすくて音がいい真空管オーディオアンプ10機選 豚のレバーは加熱しろ 8回目 56年目に聴き直す『リボルバー』深掘り鑑賞ガイド 無線と実験 2022/04 宮前図書館 真空管オーディオハンドブック
晴。 朝からヒヨドリたちがキーキーかまびすしい。 よく聴いていると、高速でチクチクいっているのもいるから、メジロもいるんだな。モズ君もいそうなんだが、彼は鳴き声がいろいろあってわからないんだよね。 昼。 ●【FMエアチェック】ピアノ協奏曲 第24番ハ短調 KV491 私の視聴室 NHK-FM 吉田秀和 名曲のたのしみ 1987年4月26日放送 | YouTube モーツァルトのピアノ協奏曲第二十四番と、第二十番の第一楽章で、フォルテピアノはジョン・ギボンズ、フランス・ブリュッヘン指揮、18世紀オーケストラ。わたしはこの録音、聴いたことがないな。こんなのがあったのか。ブリュッヘンは20世紀を代表…
マリア・ジョアン・ピレシュ(1944-)というポルトガル出身の女性ピアニストがいる。もう引退したが、29歳だった1974年に日本のDENONレーベルにモーツァルトのピアノソナタ全集をPCM録音したため、1970年代にNHK-FMで彼女の弾くモーツァルトがよくかかったのを覚えている。その頃は「マリア・ジョアオ・ピリス」と表記されていた。私は先年、ピレシュが1970〜80年代にフランスのエラートレーベルに録音した17枚組のCDを安売りで買った。内訳はバッハの協奏曲1枚、モーツァルトの協奏曲6枚とソナタ1枚、ベートーヴェンのソナタ2枚、シューベルトのソナタ2枚と連弾曲1枚、ショパンの協奏曲1枚と前奏…
◎ショパン国際ピリオド楽器コンクールについて 2018年に第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールがフレデリック・ショパン研究所によって企画され、その年の9月2日から14日までワルシャワで開催されました。 9カ国から30名のピアニストが、コンテストに招待されました。 コンテストでは、ポーランドのトマシュ・リッテルが優勝し、日本から出場した川口成彦さんが、2位を獲得、その模様は、NHKテレビでも放送されて、大きな話題となりました。5年に1回開催されるこのコンクールの第2回目は、昨年2023年10月5日にポーランド・ワルシャワで開幕。第1次予選には14か国から35名が出場し、第2次予選を経て、10…
わかやま新報 とらふすクラシック・336フォルテピアノ広場 フレンドリーなクラシックを奏でる新しい年を迎えました。本年もよろしくお願い申し上げます。和歌山市の中心市街地・ぶらくり丁のフォルテワジマ4Fで開催されるフォルテピアノ広場は、今年も変わらずに続きます。この広場のピアノは、世界三大ピアノのひとつといわれるベーゼンドルファー、”ウィーンの至宝”といわれる名器です。その音色に乗せて、クラシックはもちろんジャズやポップスなどジャンルにとらわれない演奏会が行われます。クラシックは、原則として年6回・奇数月の第三土曜に行われます。今年初めてのクラシックは、兼子万実子さんの「フレンドリーなクラシック…
大晦日。日曜日。夜のあいだに降ったようで(地面が濡れている)、起きてもぶ厚い雲で真っ暗。 NML で音楽を聴く。■シューマンのピアノ三重奏曲第一番 op.63 で、演奏はトリオ・ヴァンダラー(NML、CD)。随分とひさしぶりにこの曲を聴いたな。何十年ぶりかも知れない、でも、若い頃に聴いていた曲なので、それなりに覚えていた。全体的に低く陰鬱だが、終楽章でパーッと光が差してくる感じ。トリオ・ヴァンダラーにはあらためて感心した。この団体、もっと聴いてみよう。 スーパー。去年もだったらしいが、大晦日は客が少ない。新年は三日からだそうである。 昼。雨になる。大晦日に雨、か。なんか落ち着くな。 肉屋。さす…
(東京交響楽団「SYMPHONY 2008年4月号」に寄稿した同名のエッセイを2023年の視点から加筆・改稿) シューベルトはヨハン・シュトラウス父子と並ぶ生粋のウィーンっ子、古都の秘蔵っ子として愛されているが、小鍛冶邦隆が『作曲の思想』で「悔悟するペテロ」と評したように、人なつこい外見の裏に未完成交響曲や「冬の旅」の荒涼とした闇が口を開いている。同主長短調のポジとネガのような反転は、優しさと孤独が背中合わせであることの端的な表現に聞こえる。しかも31歳で生涯を終えてから10年以上、重要な作品が埋もれていた。没後の評価を含めてのシューベルトであり、実像と後世の虚像を簡単には切り分けられない。以…
2023年12月24日(金)に中山競馬場で行われる有馬記念(G1)に、昨年の日本ダービーで圧勝した牡馬タスティエーラが出走します。同馬は、堀宣行調教師が管理する美浦牧場から引き抜かれた3歳牡馬で、堀宣行調教師とのコンビでは新馬戦V時以来のタッグとなります。タスティエーラの競走成成績タスティエーラは、2022年3月22日生まれの3歳牡馬です。父はサトノクラウン、母はジョコンダIIです。産地は安平町で、生産者はノーザンファームです。セリ取引価格は未公表です。タスティエーラは、2022年11月27日に東京芝1800メートル新馬戦(G2)を勝利しました。その後も東京優駿(G1)、皐月賞(G1)、報知弥…
日曜日。晴。雲多し。 昨晩は九時に寝てしまう。いったん三時頃に目覚め、心の状態を変えてまた寝る。結局十時間眠り、さらに一時間ふとんの中でうとうとして、俗な夢を見る。 ドラッグストア。 スーパー。外気6℃、だいぶ寒くなってきた(でも、寒さに慣れてもきたが)。鍋料理の材料を多く買う。 洗面所に立ててある菊の花が、強い香りを放つ。あまりいい匂いではない。それにしても、畑で菊は、長いこと咲いているな。そうそう、ウチの菊は菊人形にするような立派なやつでなく、小さい小さい花が、群れて咲くのである。 水仙が咲き出した。 昼。時雨れる。 珈琲工房ひぐち北一色店。図書館から借りてきた、アンジェロ・ファブリーニ『…
東京の図書館から、今回は府中市立図書館のライブラリである、クレメンティのピアノ・ソナタ集のアルバムをご紹介します。 クレメンティはこのブログでも何度か取り上げてきた作曲家です。時代的にはモーツァルトよりも年代が上であり、かつベートーヴェンの才能を高く評価し、楽譜を出版したことで有名ですが、そもそもは「ピアノの父」と言われる名ピアニストでした。 そのクレメンティのピアノ・ソナタを集めたアルバムなのですが、実はクレメンティのピアノ・ソナタも結構な量残されており、かつ一つの作品にいくつかのソナタが集められていることが多く、このアルバムでも枝番がついているものばかりが取り上げられています。以下はピティ…
わかやま新報 とらふすクラシック・332 フォルテワジマpresents「歌こそ命~Songs」 10thAnniversary クリスマス プレミアム!コンサート 12月24日、和歌山城ホールで開催される、この冬一番のイベント、フォルテワジマpresents「歌こそ命~Songs」10thAnniversary クリスマス プレミアム!コンサート。その始まりは、和歌山市の中心市街地活性化計画の一環として、本町2丁目、ぶらくり丁、にフォルテワジマさんが誕生したときにはじまります。街おこしにやってきたフォルテワジマさんを、音楽で盛り上げようと始まったのがフォルテピアノ広場だったのです。地元のアー…
日曜日。曇。 昼。 NML で音楽を聴く。■バルトークの「二台のピアノと打楽器のためのソナタ」で、ピアノはニコラ・アンゲリッシュとマルタ・アルゲリッチ、打楽器はジャン=クロード・ジャンジャンブルとカミーユ・バスレ(NML、CD)。アンゲリッシュのピアノでバッハのイギリス組曲第二番を聴いてみようとしたのだが、音が汚すぎてパス。でも、アルゲリッチとのバルトークは全然そんな感じはしなかった。■ベルクのピアノ・ソナタ op.1 で、ピアノはニコラ・アンゲリッシュ(NML、CD)。ラヴェル、リスト、ベートーヴェンなどをちょっと聴いてみて、音が汚くて聴けたものではなかったのだが、このベルクも汚いものの、聴…
モーツァルト:序曲集ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ 、 ケルン・アカデミー タワーレコード 17世紀半ば以降、序曲は大規模なオペラの前に演奏される「管弦楽作品」として定着しました。天才モーツァルトの偉大さを改めて知ることのできる序曲集を演奏するのは、マイケル・アレクサンダー・ウィレンス率いるケルン・アカデミー。当録音ではモーツァルトの傑作揃いのオペラから12の序曲を収録。フォルテピアノ奏者ブラウティハムとのモーツァルトのピアノ協奏曲でも聴かせてくれたように、快活明瞭なアプローチによる演奏を披露。ピリオド楽器だからこそのあたたかみと響きを堪能できます。キングインターナショナル 【曲目】モ…