THE FRENCH CONNECTION
作品賞、主演男優賞、監督賞、脚色賞、編集賞 受賞
アメリカとフランスを結ぶ麻薬コネクションを潰すべく執念を燃やす刑事たちを描く、ウィリアム・フリードキンの代表作であり傑作。冷徹なドキュメンタリ・タッチでテンポ良く描かれ、ハードボイルド・アクションとして見応えがあり、ニューヨークの汚い息吹を切り取ったオーウェン・ロイズマンのリアリズム溢れる撮影も見事。冒頭のニューヨークとマルセイユを交互に描く描写からして、編集技術も素晴らしい(編集スタッフには、後に『スター・ウォーズ』編集者となるマーシャ・ルーカスも参加していた)。
但し余りにドキュメンタリ・タッチ寄りなので、映画的な面白さではジョン・フランケンハイマーが監督した続編『フレンチ・コネクション2』に譲るという声も多い。
主役の”ポパイ”ドイル刑事役のジーン・ハックマンは根性刑事にぴったりだが、実際には暴力刑事役に悩んでいたという。洒落っ気と余裕で煙に巻くシャルニエ役フェルナンド・レイも、ハックマンと好対照で好演している。ポパイの相棒役ロイ・シャイダーも渋い演技。
映画史に残るカーアクションは、今観ても凄い迫力。この場面には音楽が流れていないが、フリードキンはサンタナの曲を聴きながら編集していたという。
『セブン』、『マイノリティ・リポート』、『ミュンヘン』など、後の映画に与えた影響も大きい。